関西の太陽 VII (ページ40)

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春雷ページ40

* Richard

メッセージには蒼弥、と表示されてて驚きが隠せへん。
てか、急すぎるやろ。嘘やん。

確かにずっと猪狩とは仲良いけど、向こうからもAからもそんな雰囲気を感じたことは無かった。

どっちか言うたら、深澤くんの方が…、いや。そんなん言う必要は無い。

『…仲良いし、言いづらいかなって』
リ｢ああ…まあそう、やな。｣
『言いたいんやけど、…大事な時にって思われるかな』
リ｢…いや、うーん…｣

確かに俺らは有難いことに忙しいし、そういう事に意識を向ける暇は無いとは思う、けど。感情が動かされるってことはそうしたいって思ったってことやろうし。

別に猪狩も変なやつじゃないのは知ってる。

何より、そんなのを止める権利は俺にも、誰にもない。

リ｢なんて言ってくれたん？｣
『…誰よりも大事にさせてって』
リ｢へぇかっこええやん、｣
『あーあかん、恥ずかし…』

手のひらで覆う隙間から見える顔は赤くて、正直見たことない表情。りんごみたいな顔に触れれば熱あるんちゃうかくらいあっつくてほんまに照れてるんやな、と思う。

付き合いたてってのはあるけど、幸せそうで何より。

リ｢おめでと｣
『…ありがとう。もちろん仕事は今まで通りやし』
リ｢うん、｣
『迷惑かけないようにします、』
リ｢別に心配してへんよ、｣
『敬太くんに言えてよかった！皆にも伝えるわ』
リ｢そやな、今日はもう始まるし仕事終わりでいいんちゃう｣

そやな、とスッキリした様子でこの日は仕事を終えた。
もちろん、A以外の6人で集まることになったけど。