関西の太陽 VII (ページ28)

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贈捧ページ28

* Masakado

楽屋で横になって、スマホを見つめながらうとうと瞬きを繰り返してるA。時間もあるしそれを見つめてたらこっち来て、と言いたげな目を向けてむくっと起き上がって両手を広げてる。

正｢どしたん、お嬢さん｣
『……ちょっとだけ、』
正｢はい。｣

ぎゅっと抱き寄せてとんとん、と背中を叩けば5分後に起こして、と聞こえて間もなく寝息が聞こえる。力が抜けてって体重が俺にかかる。

研修生達のレッスン、全国ツアーのリハ。収録、撮影。
Aは少し前から振付と演出の勉強もしててバタバタとした毎日を過ごしてて、同じメンバーの俺ですら久しぶりに顔を合わせた。

にも関わらず先輩後輩との交流も欠かさない。
お誘いがあれば少しでも顔を出したり、Aが睡眠時間を削ってるなんて、とみんなびっくりした。

『……ん、』
正｢…いいこいいこ。｣

頭を撫でれば寝てんのに無意識に擦り寄ってくるA。
寝にくいやろうし抱っこして寝させれば、ぽろっと落ちたスマートフォンに目が行く。

思わず見えた画面にはリマインドがたくさん表示されてて、頑張りが見えてきたのと同時に通知に目がいった。

後輩の名前や先輩の名前に混じって研究生の子の親御さん達の連絡が来てる。

きっとこれに返事を返してたんやろなあ。

『……いま、なんじ、』
正｢まだあとちょっとあるから、寝とき｣
『…よこにいて、』
正｢ずっといとくで、｣

Aが言うなら、これからの人生すべて。