関西の太陽 Ⅴ (ページ6)

今日:18 hit、昨日:4 hit、合計:124,473 hit

やきもちページ6

* Masakado

正｢Aー、Aちゃん。…まだ拗ねてんの？｣
『べつに。拗ねてへん。』
正｢…すねてるやん。｣

さっきからAはこんな調子。俺とは目も合わせずにツンとした態度を取り続ける。
正直ただ可愛いだけやけど理由がある。

テレビのお仕事で東京に来て、知ってるプロデューサーの方に出会ったからご挨拶したら今度またご飯に、ってだけやったからそこまでは良かったねんけど、演者さんから連れてきてって言われた、なんて言葉がポロッと。

丁重にお断りをしたけど、口説き文句がまあやらしくて。
｢会いたいって声が多くて｣とか。

横にいたAはにこにこしてたけど、楽屋に入ればこんな感じ。

正｢A？…そろそろ俺さみしいな、｣
『…もんくん、行ってきていいからな？』
正｢ん？｣
『…べつに、わたしが止める理由ないし、』
正｢行かへんよ、断ってたやろ？俺｣
『ん、』

きゅって尖ってたくちびるが開いてそんなこと言うから、心臓が掴まれるようにきゅんとくる。
行ってきていいよ、なんて不安そうに言う女の子を置いて行けるわけない。

おいで、と両手を広げれば遠慮気味に胸の中に来てくれるAの頭をぽんぽんと撫でた。

正｢Aがいちばん大事やから、行かへん。な？｣
『…うん、』
正｢Aは？｣
『…わたしも。Aぇが、もんくんが大事』
正｢ん。よしよし。嫉妬してもうた？｣
『……ん。』
正｢かわいいな、｣

胸にべったりくっついた可愛い子の頭にそっとキスを落としてしばらくこのままで。