関西の太陽 Ⅴ (ページ18)

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手を繋いでページ18

ドラマ、バラエティ、雑誌、一緒にならない日が増えてから
全員集合することが週に1度もないことがあるなんて信じれへんかった。

そんなわたしも東京に来て、ぼんやりと楽屋で次の撮影を待っていた。

グループメールも動かず、携帯を見ては置くのを繰り返せばマネージャーさんからちょっと身体でも動かしたら？なんてため息混じり。

ひとりでの楽屋は広くて、心細い。
隅の方でなんとなーくストレッチをしてればこの後の撮影がバラしになって時間が空いたから適当にぷらぷらと廊下を歩いていく。

『…んー…、ん…』

ぽつぽつ鼻歌を歌いながら歩いていけば、後ろでAちゃん、とよく聞く声。

『……こじま？』
小｢やっぱAちゃんや！あれ、撮影は？｣
『あれ……なんでここおるん？』
小｢いやおれも撮影やん。Aぇの鼻歌聞こえてビビったわぁ｣
『…こじま、手貸して』
小｢手？はい、｣

少し着丈の短い学生服に身を包んで、すこし違う人に見えたけど。
かさかさして骨ばった手がすんなり手に馴染む。

小｢なんの時間？これ、｣
『…んーん、なんか元気出た。久しぶりに会えたし』
小｢寂しかったんちゃーん、｣
『うるさぁ、ほら行ってき！』
小｢あーはいはい、ほなまたね｣

ふにゃりと笑ってスタッフさんに着いてくこじまの後ろ姿を見届けて、さっきまで繋いだ右手の暖かさを連れて楽屋へ戻った。

会えるだけで嬉しいなんて彼氏みたい、と後ろ姿を思い出しながら。