関西の太陽 Ⅱ (ページ10)

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カメラアプリを起動させて、何枚か撮るともんくんもふにゃんと笑って携帯にピース。ビデオにしてみるとどうなるのか。

『はい、もんくん』
正｢んん〜？｣
『もんくん近いんやけどなあ〜』
正｢さっきもゆわれた！いやなん？｣
『嫌やないけどさ、近いんよなあ』
正｢ほなもっとちかくいく｣
『いだだだだっ』

組まれた腕をほどかれてぐいっと肩を抱き寄せられる。むぎゅっと抱きしめられるものの酔うてて力加減がアホ。

正｢いたかったあ？よしよし、｣
『ちょ、もーもんくん水のみぃ』
正｢やっ｣
『やじゃない！』
正｢なんで離れるんこっちおいでよ！｣
『もうええって〜…』

ビデオを止めてぽいっとテーブルの上に携帯を置くと、缶の山が見える。2人で10缶以上開けててそりゃこうなるかと反省する。

ちゅー、て言いながらこっちに来るからそれだけはほんまにまずいと思いながらするりと腕から抜けて冷蔵庫の水をとる。

『はい、もんくん水』
正｢いらぁん！｣
『いるて』
正｢もぉのまへんの？｣
『うん、もういい』
正｢へええ、そんだけしかのまへんねや？｣
『…なんて？』
正｢Aはそんだけなんやなあって｣
『ほーーーー？？言うやん？酒持ちや』
正｢はいかんぱい、｣

ぽやぽやとにこにこ笑顔の売り言葉に買い言葉をしてしまい残ってる酒を浴びるように飲んで、目が覚めたら2人でベットで寝ていた。

正｢…いまなんじ……｣
『…10時』
正｢頭いたぁい……｣
『お水持ってくるわ』

お腹の上に乗っていたもんくんの腕をよけて水を渡すと起き上がるのも億劫そうに手だけを出すから引っ張ろうとするとベッドに引き込まれる。

『っうわ！』
正｢んふふ、おはよ｣
『元気やんか…』
正｢頭痛いで？お水ありがと、｣

頭が痛いとか言う割にそんな事を出来るもんくんは、わたしをホールドしながら水を飲む。

わたしは二日酔いせんタイプやから元気やしリビングの缶の山とかカピカピのおつまみとかを片付けてしまいたいけど今は甘えるもんくんが可愛いからこのままにしよ、と思いながら枕元の携帯でシャッターを切った。