関西の太陽 Ⅱ (ページ8)

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花束とスーツページ8

美大の卒業式、渋めの鶴柄で赤が差し色の袴を着てジャニーズと知らん友達と写真を撮ったりお世話になった教授にお礼を言ったり。

やっぱり仕事の関係で少し甘く見てもらった部分もあったのに、しっかり卒業させて貰えたのは教授のおかげだ。

そしたらやたらと門のところで黄色い声が聞こえる。

『なんかあったん？』
｢え、なんかイケメンの集団がいて！｣
『へえ……て、あえぇ！？』

バッチリスーツをめかしこんではちゃめちゃにデカい花束を6人全員が持って、わたしを見つける。
A、と甲高い声ですえくんに名前を呼ばれて駆け寄っていく。ああ、もう走りづらいのに。

『いや、ちょ、えぇ！？』
末｢卒業おめでと、｣
『ありがとう、やけど、』
小｢おめでとうございます、｣
『こじままで、何してんの…』
正｢皆で卒業式お祝いしよって。写真も撮りたかったから｣

晶哉も敬太くんもちぇもにこにこして花束を持っている。
そんなわたし一人だけの為になにしてんの？とか、Aぇ!groupとしてまだ結成されて間もなくて、1番最初にする事ってこれじゃなくない？とか頭の中がぐるぐるして思考回路がパンクする。

佐｢これから、Aぇ!groupとしてやって行く中で一発目のイベントがAちゃんの卒業式やったんすよ、｣
福｢佐野がどうしても！って｣
正｢まあ、すぐ行くって決まったんやけどね｣
末｢ド派手に行かなあかんやろ｣
リ｢とりあえず写真撮らしてや、A｣

皆でツーショットを撮って、友達に携帯を渡して集合写真を撮る。
さすがファインの写真サークル部長だった友達。
持ってるカメラでも撮ってくれて最高。

末｢友達と飯行くんか？｣
『え、いやもう帰る…』
福｢ほなちょーどええわ、行くで｣
『ど、どこに？』
正｢当たり前やろ？｣
リ｢卒業パーティー！｣

でっかい花束を持ったスーツの6人と袴のわたし。
見ようによっては全員卒業した人見えるやろうけど、わたしだけなのが妙に面白くて。

後日送られてきたみんなで爆笑してる集合写真と、門から出て歩いている後ろ姿の写真。

今でもそれは宝物で、ちぇと小島と晶哉の卒業式も絶対に行くって決めたエピソードでもある。