嫉妬 ページ44
* Masakado
『もーんくん』
正｢はあい？｣
『ご飯食べよう』
正｢ええよ、｣
舞台が無事に全公演終わって、合間合間にあったAぇ!groupとしての仕事のメインが日常に戻ってきて。
楽屋での感じもなんか久しぶりやなあ、なんて思ってた。
ここ最近ずっとAはこんなかんじ。
『もんくん、』
正｢ん？どうしたん、｣
『…んーん、なんもない』
正｢ふふ、なんやの、｣
じっと見つめてきてはふい、と顔を反らしたりしてAから目線を外せばまた可愛い顔で見つめてくる。
みんなは綺麗な顔って言うけど、おれはどっちか言うたら可愛いと思うんやけどなあ。
正｢A、今日なんかある？｣
『仕事おわり？』
正｢うん、｣
『なんもない…、あ、家のご飯使い切らなあかん』
正｢そうなん？…それ食べに行ってええ？｣
『！ うん！ほな今日一緒かえろ！』
ぱあっと明るくなる表情。そこからご機嫌さんでおれの隣でにこにこ。
家にお邪魔さしてもらってごはんを食べながらもにこにこ。
寂しかったんかな、なんて自惚れたりする。
正｢A、おれおらんで寂しかった？｣
『…んー、うん、』
正｢ふふ、｣
『なんか女優さん羨ましかった、もんくんとおれて』
正｢えぇ？Aもずっと一緒におるやん｣
『いやちゃうくて、お芝居でおれて、ええなあって』
ほんまは相手役にAって話もあったけど、Aは自ら感じて考えてその役をお断りしてた。
自分にはあんなに演技できひんかったかもしれん、って終わった後そう言ってたけど。
Aやったら良かったなあ、なんて思ったり思わんかったり。
ああでも、歯止め聞かんくなるかも。
正｢嫉妬してた？｣
『…ちょっとな！ちょっとだけ！！』
正｢可愛いなあ〜Aは｣
『うるさ！』
正｢今日泊まってってあげるやーん｣
『いーらーん、』
正｢え〜、ほな帰ろか？｣
『……泊まってって』
正｢可愛いなあ〜｣
『あーーもうほんま嫌！！』
顔真っ赤にして泊まってって、なんて可愛いセリフ
俺以外に言わんといてよ？
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作者名：ブル | 作成日時：2021年10月7日 6時
