関西の太陽 Ⅱ (ページ19)

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ねがおページ19

* Taisei

おは朝が終わってAの家に帰る。
実はAの家の鍵もってんの俺だけやねん。
寝室を覗いたら行く時に見た時と同じ姿で寝てる。

また腹出してるやん、とか思っていつの日か聞いた高校の頃から使ってる割に綺麗なブランケットをかけてやる。

『……たいせ、おかぃり…』
福｢ただいま、Aまだ寝んの？｣
『…ん〜……ぅん、ぱんやさん、』
福｢パン屋さん？｣
『…かどっこの…あっこの、ぱんやさん、』

名前で呼ぶあたり寝ぼけてるな〜って思いながら寝る前に聞いた信号2つ行った先の角にあるパン屋さん。

起きとくから一緒に買いに行こうって話してたのを覚えてくれてたことに嬉しく思う。寝てるけど。

福｢食べるん？｣
『…たいせ、たべる言うてた…』
福｢うん、何がいい？｣
『…くろわっさんと……ぱん、』
福｢ふふ、うん、何パン？｣
『かれーぱんやって…』

眉間にしわ寄せてちょっと怒りながら言うてる。
なんで怒ってんねん、とか思いながらうちのお嬢さんが言うからしゃあない、と俺も眠たいねんけどマスクをしてもう一度マンションを出てパン屋さんに行った。

香ばしい匂いにお腹がすいてくる。
Aが言っていたパリパリの形のいいクロワッサン、じゅわっと油が染み込んだおおきいカレーパン。

あ、メロンパンも美味しい言うてたな、と思いながら要望のものと他に何個かおぼんにとって買い物を済ませてまたマンションへと戻る。

福｢Aー、｣
『…、ん、』
福｢めっちゃ寝るなあ…｣

パッと着替えてまた寝室を除けばまだまだ寝てるA。幼く見えるAの顔をつんつん、と突いてみてもまた眉間に皺を寄せて寝返りを打つ。
可愛いのが俺が寝てたスペースは空いてるところ。

眠たいし、俺もAも仕事は夕方やから二度寝しようかと一応アラームを昼にかけて布団に入り込む。
モーニングじゃなくてランチになるやろうパンのことを思いながらまぶたを閉じた。

なんで起こしてくれんかったん、と怒られるのは数時間後の話。