関西の太陽 (ページ46)

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きみと笑った日ページ46

* Sano

自分の中であんま仕事も上手く行ってへん感じがあって、でも有難いことに仕事を頂けてて。
Aちゃんと仕事やから頑張らな、ってメイクも衣装も着て楽屋に戻った。

｢お疲れ様です、｣
『お、晶哉おつかれ〜』
｢あ、台本見てました？｣
『…そやねん、覚え悪いんよ〜晶哉覚えてる？』
｢はい、一応…｣
『ほな流れ一緒に確認しよ〜？』

って言うてぱらぱらと流れを確認し始めたらスタッフさんが来て現場に呼ばれる。
あ、大丈夫かな、Aちゃん、って心配したけど覚えが悪いって言ってたのに完璧で。

でも、僕は全然だめやった。
めちゃくちゃすべったし、あの時Aちゃんが笑ってくれんかったら空気もやばかった。

人の心配してる場合とちゃうわなんしてんねん、って思いながらAちゃんと楽屋に戻る。

『はーー緊張したぁ晶哉ありがと』
｢…えっ、いや、ぼくなんも、｣
『んーん、晶哉居てくれて助かった』
｢そんな、全然ぼくも笑ってもらっちゃって…｣
『え？…あー…ふふっ、あれな？あれほんますき』
｢Aちゃんだけですよ、｣
『なんでやろなあ？…んふふふ、あかんツボやねん』

げらげらと笑うAちゃんにつられて笑う。
それだけでなんかもう充分やった。

後から聞いたけど、Aちゃんは前日までには全部覚えてしまうからきっとぼくに気を使ってくれたんやろうな、と見えなかった優しさに触れた。

それから、同じグループに居れて幸せを感じる。

また、たくさん笑わせてあげたいから、
もし元気がなかったら俺に言うて、Aちゃんのこと笑わせるから。