関西の太陽 (ページ43)

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きみを守ると決めた日ページ43

* Suezawa

女の子が入る。ジャニーズに入所して大体2年が経った俺にとっては衝撃やった。
どんな子が入るか、大きく取り上げられてたけどパッと見たくらいでは分からんかった。

レッスン室に萎縮しながら入ってくるAはほんまに、今やったら笑えるけど天使か？ってくらい可愛かった。

目がくりくりしてて中学1年生にしては幼くて、やのにその幼さには似合わん位おどおどして、周りを見て端っこでレッスンシューズを履いて小さくなっていた。

話しかけてみれば花が開くように笑う女の子やったけど、この子が選ばれた理由は分からんかった。

ダンスも歌も頑張ってるけど、未経験のJrによく居るくらいの出来栄えで正直大したことないって感じで可愛いだけやってん。

｢Aは、なんでジャニーズ入ったん？｣
『Aにもできることがあればいいなあって思って…お姉ちゃんが応募してくれました』
｢…そうなん？｣
『…はい』

聞けば年の離れたお姉ちゃんが3人と兄ちゃんが1人おって、全員が優秀な姉ちゃん兄ちゃんと年が離れてるし可愛がってもらったから、Aにも出来ることが欲しいとポロッとこぼした独り言に姉ちゃんが反応して、こういうオーディションに行くだけ行ってみてもいいんじゃないかって事らしい。

『…東京関西でたった1人選ばれる女の子で、奇跡的にわたしが選ばれたから本気でやるんです』

俺と話しながらもよく出来るJrが練習してる姿を睨みつけるように見ながら、次の日には完ぺきに踊れるようになってるAを見て俺がもしもやめる時が来るまで、俺がAを守ろうと決めた。

デビューできる日が来ても、隣にいれる日まで、いつまでも。

ずっと守っていくよ。