関西の太陽 (ページ41)

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きみが泣いてた日ページ41

* Masakado

いつの日か、Aの涙を見た。
その頃は泣いた姿どころか辛そうな姿すら見たことなかったから、衝撃的やった。

『A…っもう嫌や…』
福｢…大丈夫やから、Aはここにいてええから｣
『…もう無理、Aはここおったあかんねん、』
福｢そんなことない、｣
『大晴かて、もう無理思ってるくせに！！』
福｢そんなん思ってへん。｣
『やったら、なんで……』
福｢………ごめん、｣

レッスン室で激しく泣く彼女は、一人称と大晴の呼び方が変わるほど取り乱してていつも綺麗な笑顔が崩れるほど涙でぐしゃぐしゃだった。

抱きしめて頭を撫でる大晴も少し泣いていたように見えたけど真相はわからん。

君が泣いていた理由も今となっては分からない。

ただ、抱きしめてあげるのがなんで俺じゃないんかな、とそう思った。
頭を撫でてやるのも、涙を拭ってあげるのも細い身体を支えてやるのもなんで俺じゃないのかとそう思った。

やめようと思った時、こじけんが頭に浮かんで次にAの事を思い返して、もうちょっと続けようと思った。

それくらい、俺にはAの存在が当たり前やったから守ってあげたいってずっと思ってた。

やのに、泣いて頼る存在は俺やなくて大晴なん？って。
結構前のことやから、今もしそうなればおれに来させてみせるし一番理解してあげるよ、A。

やから、俺を頼って、