関西の太陽 (ページ16)

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もんくんとページ16

『もんくん、』
正｢うん？｣
『…このさぁ、ギターのとこ聞いていい？』
正｢ええよ、｣
『そっち行ってええ？』
正｢おん、こっちおいで、｣

おれの映ったスマホ画面を持って横に来る。
ワンフレーズの所に合わせる音を悩んでるんかな、

『…ここわたしの音いるかなぁ…』
正｢Aちゃんはどうしたい？｣
『…んー、』

Aちゃんは器用でほとんどの楽器を触れたから、ギターもある程度なら弾けたしベースはするのが楽しくて誰が見ても上手って位弾ける。
ドラムは難しいって言うけど何となく叩いたりするし。
キーボードとサックスは出来ひんって開き直ってたけど。

その中でバンド組むってなった時、Aちゃんは選択肢が沢山ある中でDJの立ち位置を選んだ。

ツインボーカルや、ツインギターを選ばんかった。

『…あ、これこうしたらどうやろ、』
正｢ん？｣
『もんくん聞いてて？』

さっきのギターを流しながらそれに合わせて指を動かしていく。
真剣な横顔は綺麗で音にもさっきより深みが出たし俺はこれでいきたいとすら思った。

『…どう？』
正｢Aちゃん、ばっっちり！！｣
『っしゃあ！！』

手を広げて待ってたら気づいてくれたAちゃんが俺の胸に飛び込んできてくれる。

『もんくんのおかげ！ありがと！』
正｢んーん、Aちゃんが頑張ったしやで｣

俺も頑張ろ、と思わせてくれるAちゃんをぎゅーっと抱きしめた。