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2月。
今日は特別な日。
この日は珍しく朝から雪が降っていた。
4時間目の世界史が、自習になった。
世界史の先生が、「チャイム鳴ったら終わりにしていいぞ〜」とだけ言い残して教室を去った。
先生がいなくなってすぐに後ろの席のミカを振り返る。
「今日、丈くん学校にいるって！」
「え！まじ！行って来なよ！」
「でも先生戻ってきたらどうしよう」
「来ないやろ、戻ってきても、なんか適当に言っておくから」
行ってこい！ミカが小声で私の手を握る。
「うん」
そっと教室を出て、３年のフロアに向かう。
授業ももうない３年のフロアは人影がなく、閑散としていた。
丈くんと末澤先輩の教室。ドアを開ける。
だけど、誰もいない。
あれ、ここにいると思ったのに。
ガランとした誰もいない空間を見つめて立ち尽くしてると、
「部長、サボりですか」
後ろから声がして振り向くと、吉沢先生だった。
ヤバっ！
こういう時に咄嗟に都合の良い言い訳が思いつかないのが私だ。
これがミカとかなら多分上手いように言いくるめてこの場をしのぐんだろう。
「藤原なら、数研にいます。」
「あいつ、最後の最後まで、数学だけ出来なくて、最近俺の隣でずっと勉強してる。」
フッて吉沢先生が笑う。
「好きなコにかっこいいって言われたってだけの理由で、あんなに頑張れちゃうんだな。
バカだろ、男って。女の子が思ってる以上に。」
「俺、あいつが志望校上げてきた時、ぶっちゃけ最初は無理だろうと思ってたけど、今はいけるんじゃないかなって思ってる。なんていうか、目の色が変わったんだよ。あいつが今、どんな目をして勉強をしているか、見ておいた方がいい。
ばかだけど、あのばか正直で、単純で、真っ直ぐで、諦めの悪いあの姿勢は、全受験生が見習うべきだ。」
「(名字)、今なんの時間なんだ」
「あっ、世界史です…」
「佐藤先生か…」
思案した顔をして、吉沢先生がいじわるそうに笑う。
げっ、正直に言うんじゃなかった。
「うそうそ黙っといてやるよ。藤原に、わからないことあったら俺職員室で飯食ってるからって言っといて〜」
吉沢先生は、手をひらってさせて行ってしまった。
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はな(プロフ) - すももさん» 私が書いたお話が誰かの心に響いて、感動してもらえるなんて、お話を書いていてこんなに嬉しいことはないです。作者冥利に尽きます！言葉にして伝えてくださってありがとうございました♪ (2023年5月3日 22時) (
レス) @page17 id: 0c4ea5e210 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - この作品に出会えて良かった。書いてくださりありがとうございます。完結まで見届けます！主様のペースで頑張って下さい！長文失礼致しました。 (2023年4月30日 23時) (レス) id: 82366dfac8 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 今朝もコメントしたのにまたまたのコメント失礼します、！本当に素敵な文章で読んでるうちに何故か涙が溢れて止まりません！本当に心に来る文章を読んだときってこうなるんだな、と一人で納得してます笑 本当に素敵な文章です。 (2023年4月30日 23時) (レス) @page11 id: 82366dfac8 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - すももさん» わー！すごく今、書いて良かったなって思いました。そう言っていただけてめちゃめちゃ嬉しいです！！ (2023年4月30日 15時) (レス) id: 0c4ea5e210 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 失うものも背負うものも何もなかった無敵なあの頃、という言葉のフレーズに惹かれて読んでみたら、すごく素敵なお話でほっこりしてます！私自身が現在高校生なので、今って一番良いときなのかな、と思わず自分と重ねてしまいました。更新楽しみに待ってます！ (2023年4月30日 7時) (レス) id: 82366dfac8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2023年4月29日 20時
