さくらの育て方 2【S受け短編集】

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「あのさあ、翔さん、そんな真っ赤な顔で言われても説得力ねえから。」

「翔さんって俺の事好きだと思ってたんだけど、俺の勘違いだった？」


いえ、勘違いじゃないです、君のことが好きです、言えないけれど、


「どうせ真面目で頭のかたーい翔さんのことだから、難しく考えてんじゃないの？」

「男同士、教師と生徒とかさ、自分と一緒じゃ俺が幸せになれないとか、」


全くその通りです、お見通しです。


「そういうの、つくづく馬鹿馬鹿しいと思うよ。」

「俺の幸せは、俺が決める。」




「俺はまだまだ子供で、難しいこととかわかんねえけど、大事なのは周りにどう思われるかじゃなくて、翔さんがどう思ってるかなんじゃねえの？」

「ねえ、翔さんは俺の事好きなの？好きじゃないの？」




ああ、俺の負けだよ。

好きな人の言葉ってこんな心に響くんだな。

すごい力持ってんだな。




「好き、二宮くんのことが好き。」



「ならそれでいいじゃん。」



「俺は翔さんが好きで翔さんは俺の事が好き。それだけの事だよ。」



俺はただ、教師と生徒とか男同士とか、そういう言葉を並べて、傷つくことを恐れてただけなのかもしれないな。


大人だってことを、彼はまだ子供だってことを言い訳にして。

だけどもうそんなの関係ないね、

二宮くんの真っ直ぐさが、羨ましくて眩しい。


恋することに理由なんていらない、必要なのは、誰かを好きだと思う気持ちだけ。







「俺は卒業まで待てるけど？翔さんはどうなの？」

「俺も、待てる。」

「ん、なら決まり、今日からあんたは俺の物だ。」



そうやって勝ち誇った笑顔で言う二宮くん。

だったらきっと、


「なら二宮くんは俺の物だね。」









「うわ、何これ外寒すぎ。」

「そういうだろうと思ってマフラー持ってきたよ。」

「さすが翔さん、俺の彼女。」

「ははっ、もう随分待たされたよ、」

「卒業おめでとう、二宮くん。」

「ん、ありがとう。」

「じゃあ、今日が俺達の記念日ってことで。」

「まずは恋人らしく手でも繋いでみる？」






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