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ｺﾝｺﾝと部屋をﾉｯｸする音。
涼介「何?親父。」
また書類かと思ったけど、何も持っていない。
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「お前の卒業式後に結納が決まった。」
涼介「.....。」
「いいな?」
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嫌だって言ったって...もう手遅れ。
何も言わないで黙っていると親父が口を開いた。
「柊さん。連絡待ってるんじゃないのか?」
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連絡?
涼介「あっ...」
この前会った時に連絡先が書かれた紙を渡されてそのまま。
連絡し忘れてた。
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涼介「やっべ。」
急いで携帯を開いて、紙を探す。
どこやったっけ。
財布?ﾎﾟｯｹ?
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手当たり次第漁って、やっと見つけ出した。
ﾒｰﾙで電話番号打ちゃいいか。
連絡先を開いて名前を打ち込む。
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涼介「.....。」
ｽｸﾛｰﾙする指が止まる。
柊Aと打つと当たり前だけどAが出てくる。
何回電話したっけ...
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電話だけでも思い出があんのに...
震える指でﾀｯﾌﾟしていた。
ｺｰﾙ音が続く。
これで出なかったら諦める。
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出ないで。
出ないでくれ...
だったらかけなければよかったのに。
番号も消して、忘れればいいのに。
あと1ｺｰﾙ。
出ないで...
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涼介「...」
《はい、もしもし?》
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久々に近くで感じた声。
涼介「.....っ!」
まさか出るとは思わなかった。
出てくれないと思ってた。
けど、出て欲しいと心のどこかでは思っていたんだ。
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馬鹿だ。
諦める機会を、わざわざ自分で潰した。
《もしもし?》
中々応答しないからかAが向こう側で何か言う。
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涼介「...A...?」
やっとの思いで振り絞って出た声は、すごい頼りない震えた声。
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ハルカ(プロフ) - 今現在泣いて泣いて泣いてます。ほんとに話の中に吸い込まれます。 (2018年10月10日 18時) (
レス) id: f0d758750d (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩 - どんどん読み進めたくなっちゃいますね♪ (2017年9月24日 19時) (レス) id: 73437f3fa3 (このIDを非表示/違反報告)
涼苺飴 - 遅れて読んでます！！いっぱい泣きました(泣)とってもここまででは、切ないです。16までおいつけるかな……。とっても面白いです！！頑張ってください♪ (2016年12月5日 18時) (レス) id: 0f2acbae67 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - いちご姫さん» ありがとうございます！！ (2015年8月7日 20時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
いちご姫 - おもしろい！ (2015年8月6日 11時) (レス) id: 095752f868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすみ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時：2015年3月30日 17時
