604 *Ryosuke* ページ4
皆がセンター試験を受けているであろうという日に俺は家で書類に目を通す。
「アンタばっかね〜。」
勝手に入って扉に凭れて腕を組む姉。
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「お母さんの方にしときゃよかったのに。」
涼介「外国なんて嫌に決まってんだろ。」
「でも彼女に2度と会えなくなるのよ?」
もう彼女じゃねぇし。
そんなことより先に“2度と会えなくなる”の意味がわからなくて。
どうせ2度と会うことはねぇのに。
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涼介「だから外国なんて行ったら...」
「違う。」
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「日本の会社を継ぐなら政略結婚させられるって言ってんの!」
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「結婚なんてしたら想い合う事も会う事も許されない。」
もう想い合ってないし、会うことも無い。
なのに動揺してる自分に腹が立つ。
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涼介「あのさー...傷口抉らないでくんない?」
「は?」
涼介「姉ちゃんなんだから察しろよ。半月ほど前に別れ告げられたわ。」
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「それ...絶対どっちかのせい...」
涼介「知ってる。多分裏で根回しされてた。」
いつまでも根拠のないこと言ってらんないし、Aも限界だって言ってたから。
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「馬鹿じゃない!?なんで止めないの!?俺が守るからとか言わなかったの?!」
何そのクサイ台詞。
言えたらどんなに格好良かっただろうね。
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涼介「言えなかったんだからしかたねぇじゃん...」
「私が言ってきてあげるわよ!」
はぁ?!Aが折角きっと悩みに悩んだ末に出した結果をこの姉は覆そうとすんのか。
涼介「余計なことすんなよっ!」
「なんでっだって...あ!」
涼介「親父...?」
ノックもなしに開いたドアの向こうに無表情で立つ親父。
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「涼介。話がある。」
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ハルカ(プロフ) - 今現在泣いて泣いて泣いてます。ほんとに話の中に吸い込まれます。 (2018年10月10日 18時) (レス) id: f0d758750d (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩 - どんどん読み進めたくなっちゃいますね♪ (2017年9月24日 19時) (レス) id: 73437f3fa3 (このIDを非表示/違反報告)
涼苺飴 - 遅れて読んでます!!いっぱい泣きました(泣)とってもここまででは、切ないです。16までおいつけるかな……。とっても面白いです!!頑張ってください♪ (2016年12月5日 18時) (レス) id: 0f2acbae67 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - いちご姫さん» ありがとうございます!! (2015年8月7日 20時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
いちご姫 - おもしろい! (2015年8月6日 11時) (レス) id: 095752f868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2015年3月30日 17時