630 *Ryosuke* ページ30
変に気を張ることもなかったからか、
行きより大分落ち着いて。
辺りは段々と暗くなっていく。
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こんな暗い中で柊一人置いていくのもしゃくだったけど。
“大丈夫”
そう言われたから帰ることにした。
俺は柊が大丈夫じゃないことを分かってたけど。
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A『涼介さんっ!!』
不意に名前を呼ばれ止る。
A『あのっ...』
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肩も声も震えてる。
なんでなんか泣きそうなの?
やっぱこんなﾃﾞｰﾄじゃ無理があったか。
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涼介「どした?気分悪い?」
A『いえ...違います...』
違うならなんなの?
ほんとこういうの俺察しがつかないから。
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A『これ...』
ゆっくり前に差し出してきた小さな紙袋。
A『要らなかったらすいません..』
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A『私...初めて作りました...
右半分は...ｼｮｺﾗﾃｨｴが作ったんですが...』
涼介「.....。」
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よく見たら少し赤い手。
お嬢様が火傷って前代未聞じゃね?
受け取って袋から箱を出す。
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開けるとふわっとﾁｮｺの香り。
確かになんか...不恰好。
A『あっ!そっちは...!!』
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左から1つとって口に運ぶ。
A『すいませんっ!』
涼介「ん…美味い。」
A『え...?』
涼介「頑張って作ってくれたんだろ。」
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その手って視線を落とすと、ささっと後ろに隠される。
A『それは...その...』
涼介「...さんきゅ。」
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俺は最低だ。
どこかで柊をAと重ねてる。
涼介「じゃ、またな。」
A『...え?また会ってくれるんですか?』
涼介「うん。」
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柊が嬉しそうに微笑んだのを、Aならいいのにって思ってる。
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ハルカ(プロフ) - 今現在泣いて泣いて泣いてます。ほんとに話の中に吸い込まれます。 (2018年10月10日 18時) (
レス) id: f0d758750d (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩 - どんどん読み進めたくなっちゃいますね♪ (2017年9月24日 19時) (レス) id: 73437f3fa3 (このIDを非表示/違反報告)
涼苺飴 - 遅れて読んでます！！いっぱい泣きました(泣)とってもここまででは、切ないです。16までおいつけるかな……。とっても面白いです！！頑張ってください♪ (2016年12月5日 18時) (レス) id: 0f2acbae67 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - いちご姫さん» ありがとうございます！！ (2015年8月7日 20時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
いちご姫 - おもしろい！ (2015年8月6日 11時) (レス) id: 095752f868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすみ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時：2015年3月30日 17時
