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ドアを閉めてホテル外に出る。
料亭が繋がってるからそこの小さな庭を歩く。
どーすんのよ、これ。
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ただ黙って歩く。
A『涼介さんって...どこの学校通っていらっしゃるんですか?」
涼介「あー。普通の公立。結構頭悪いとこ。」
A『えっ。』
俺の豹変ぶりに驚いたのか、それともボンボンが頭の悪い公立に行った事に驚いたのか。
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涼介「柊さんは頭いいとこでしょ。」
A『私は...桜学園です。」
都内トップの女学院じゃん。
涼介「へえ。さすがS女。」
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大ちゃんが入学したての頃、
「S女見た!今日電車でS女見た!!」
って騒いでたっけ。
A『S女...ですけど...私は多分そんなんじゃないです...』
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履物のカランコロンとした音が止まる。
A『涼介さんがご趣味のチェス...私はとても出来ません。
父は大好きですが...私には楽しさが分かりません。』
涼介「まぁ、そういう奴もいんじゃない?」
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A『ですが...仮にも貴方の婚約者...』
涼介「あーわかった。俺ね、チェスなんてやったことねえからさ。」
そう言うとポカーンと口を開けて俺を見る。
涼介「柊さん?」
A『そ、なんですか...?』
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そーですよ。普通の公立に通うような。
3年間家出するような超庶民だよ。
涼介「だから、俺と結婚なん...」
A『私、恋したことないんですけど。』
何、また自分の話?親がいなくなった途端ペラペラ喋る。
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俺が話す必要がなくて楽だけど。
A『でもこのまま恋が訪れるのを待っていても仕方がないので諦めました。
それで私は今日。このお見合いを受けました。』
だから俺と結婚してくださいって?
涼介「恋って訪れるもん?」
A『違うんですか?』
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俺も失敗してるから言えないけど。
涼介「運命とかもあるじゃん。」
A『それなら...私はこれが運命だと思います。』
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ハルカ(プロフ) - 今現在泣いて泣いて泣いてます。ほんとに話の中に吸い込まれます。 (2018年10月10日 18時) (レス) id: f0d758750d (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩 - どんどん読み進めたくなっちゃいますね♪ (2017年9月24日 19時) (レス) id: 73437f3fa3 (このIDを非表示/違反報告)
涼苺飴 - 遅れて読んでます!!いっぱい泣きました(泣)とってもここまででは、切ないです。16までおいつけるかな……。とっても面白いです!!頑張ってください♪ (2016年12月5日 18時) (レス) id: 0f2acbae67 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - いちご姫さん» ありがとうございます!! (2015年8月7日 20時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
いちご姫 - おもしろい! (2015年8月6日 11時) (レス) id: 095752f868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2015年3月30日 17時