682 *Yuto* ページ32
高校のﾌﾞﾚｻﾞｰが欲しいと言う知り合いにﾌﾞﾚｻﾞｰを渡しに行くことになって。
「ありがとうございます。」
「ﾎﾞﾀﾝ、誰にも貰われなかったからね〜。笑」
玄関からは母親と知り合いのそんな声が聞こえてくる。
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貰われなかったんじゃなくて、あげなかったんだよって心の中で言う。
実際、ﾈｸﾀｲまで奪われそうになったっての。
裕翔「ﾎﾞﾀﾝ...あ。山ちゃんに渡したよって言ってない。」
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1ｺｰﾙ目ですぐ出た緩い山ちゃんの声が聞こえてくる。
《は〜い?》
裕翔「あ、ﾎﾞﾀﾝ、ちゃんと渡したよ。」
《...あ、あ〜...ありがとね。》
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裕翔「喜んでたよ。Aちゃん、すっごく。」
《そ...ならよかった...
一応聞くけど、裕翔くん余計なこと言ってないよね?》
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裕翔「...Aちゃんしか愛せないって奴?」
《ふっ...わざわざ言わなくていいから。笑》
ごめんね。山ちゃん。言っちゃいました。
なんて言ったら怒られるから言わないけど。
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裕翔「う〜ん...でもねぇ。」
俺、大ちゃん程じゃないけど結構口軽いのかもね。
裕翔「Aちゃんね、山ちゃんしか愛せないって言ってたよ。」
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電話の向こうでどんな表情してんのかはわからないけど、
何も喋ってくれなくて沈黙が続く。
裕翔「...今の聞いてた?」
《聞いてた。...聞いてたよ。》
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《馬鹿じゃねぇの...
もう、会ってやれないのに。何もしてやれないのに...》
裕翔「思ってること一緒なんだね。」
《その言葉だけで十分...》
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きっと十分なわけないのに、
《頑張るわ。俺。》
裕翔「仕事?社長は大変だね?」
《大変だよ。...皆も頑張ってね。》
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裕翔「もうすぐ入学式だからその時の写真送ってあげる。」
《ははっ要らねぇー。笑》
裕翔「絶対送るから!」
《んー。じゃあ待ってるわ。》
山ちゃんがいない学校ってどうなるんだろう。
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名無し53407号(プロフ) - 突然すいません。号泣しました。感動です。こんな素敵なお話を書いてくださってありがとうございますほんとに。泣 (2018年1月15日 22時) (
レス) id: 42ec7976c2 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 國松真優さん» コメントありがとうございます！ こんなお話でも泣いていただけてよかったです（笑） 応援よろしくお願いします！ (2016年6月13日 8時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - しおりさん» はじめまして。コメントありがとうございます！！ 号泣（笑） 一応、感動的なシーンではあったのでよかったです（笑） 嬉しいお言葉頂けて光栄です。 (2016年6月13日 8時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
國松真優(プロフ) - すごく号泣しました。これからも応援してます！ (2016年6月13日 0時) (レス) id: 9ea6e88dce (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして！！ いま、1人で読んで号泣してます笑笑 こんなに泣いたのはじめてです！ この小説大好きです！ (2016年1月7日 5時) (レス) id: 531f270852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすみ
| 作成日時：2015年4月2日 19時
