◇ ページ7
翔くんの家を出てから、
走って駅へ向かった。
追いかけてくるわけないのに。
『はぁ、はぁ』
ちょうど来ていた電車に乗り込んで、
息を整える。
全力で走ってる間は良かった、
泣く暇なんてなかったから。
だけど、
ちょっと呼吸が落ち着いた今、
少しでも油断したら泣きそうで。
あぁ、なんて女々しいんだろうって、
それだけ翔くんのことだ好きだったんだ、って。
胸が、締め付けられたみたいに苦しい。
忘れたい、早く時間がたって、風化して、
跡形もなく消えればいいのになんて。
今すぐにはできないことを、考えて、
でも現実はそんなに甘くないよね、なんて落胆する。
自業自得なのに、
翔くんを諦めるって決めたのは
私でしかないのに。
考えたくないのに、
思考はどんどん進んでいって、
ぽろ、って涙がこぼれた。
「A、ちゃん？」
『、』
小声で、名前を呼ばれて。
振り返ると相葉さんが立っていて。
黒目がちの瞳が、
私の顔を覗き込んだ。
涙を見られて、動揺すると同時に、
周りに気付かれているのを悟って、
手が、震えた。
「ごめんね」
『、』
その、震える手を取ったのは相葉さんで。
「泣かせてごめん」
引き寄せられて、抱きしめられて。
電車の中なのにとか、
人に見られてる、とか、
そういうことを思わなきゃいけないはずなのに。
相葉さんから与えられたぬくもりに
ひどく安心して。
もっと涙がこぼれる。
『、ひどい...』
「うん」
ひどいのは、他でもない私。
『さいて、』
「ん」
サイテーなのも私。
口に出せば出すほど悲しくて。
涙が止まるわけなくて。
そんな私を、
相葉さんはずーっと抱きしめていてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 336人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももねる(プロフ) - あさん» 分かってくれる人がいてとっても嬉しいです(*´艸`*)いろんなところに要素をちりばめました笑坂道グループ応援してます！ (2020年6月11日 22時) (
レス) id: 783ca8666b (このIDを非表示/違反報告)
あ - タイトルからしてあ！これはっ！！ってなりました笑坂道オタなんですか〜?? (2020年5月28日 0時) (レス) id: 8fb02028e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももねる x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2020年5月26日 12時
