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「なんでそんな真っ直ぐなの？俺にそんな価値ないよ」
「俺にとっては、あるの。だからこの世界でどこ探しても、いまここにしかいない翔くんを俺のにしたい。それだけ」
俺の、なんて言い回しにやっぱこいつ独占欲そこそこありそーだなとか思って笑う。良いよ、それならどれ程のもんか見せてもらおうじゃねえか。
「どろどろに溶けるくらい愛してくれんの？」
「当然でしょ」
お望みならばと言わんばかりに早速降ってくるキスの雨。触れるだけだったり、舌を這わせたり、唾液で濡れる唇に吸い付いてきたり。過去に他の奴と経験してることの筈なのに、誰とも違う。咥内ですらイイトコを探すみたいにして、俺の全てを把握したがる舌と唇に溶かされる。
「変な話、翔くんとするキス気持ちいいよ」
「マジで変な話じゃん」
ふふ、とか何とか笑いながら男は俺の唇を指で弄んで、やわらかいだとか言う。もう出来ないかと思ってた、とも。
「酔った勢いとかふざけてしよう思えば出来たじゃん」
「そういうんじゃなくて」
軽んじたわけではないけどほんの少し気に障ったようで唇を甘噛みされる。言いたいことはわからんでもないよ、多分なんか一方的にしたかったわけじゃないんだと思う。
気持ちの通ったやつ、じゃないけどなんかそんな。体温のあるやつは、もう出来ないと思ってた的な。それに至る最低条件は合意の上でってとこになるわけだしなぁ。
彼の言葉を受け止めれば受け止めるほどダメ元で好きんなったのを感じる。いけんじゃねーのって思わなかったのかな。それこそ今夜うちで歯ブラシを見て、ちょっと思ったくらいか。
「女の子の方がやわらかいんじゃねーの」
「そんなこともないよ」
やっぱりどうしても脳内をチラつくノンケ返りに怯えて、意図せず不安を漏らせば彼は否定の言葉とキスをくれて。信じてよって言うみたいなそれに愛を感じたりもして。本当にあるのかもしんないな、絶対も運命も。俺はそれが欲しくて欲しくてたまらなかったんだ。それをくれるかもしれない人が、いま目の前にいるんだ。
不安がないとは言わない。結局、やっぱりか、てなる未来もなくはないと思う。それでも。
「翔くんの唇はやわらかいし、俺が知ってる中で一番甘い」
「んだよ、それ」
「甘いよ」
バカみたいなことを言って幸せそうに笑う彼の唇が離れる僅かな合間に愛の言葉を差し込みながら一頻りキスして、名前を呼ぶ度に体温が上がって脳が震える。
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7oh(プロフ) - ぽっちさん» ぽっちさん、初めまして！コメントありがとうございます！逆CP好きな方からそう言ってもらえるとめちゃめちゃ嬉しいです！！M視点の話も書いてみようかなぁと思いました。忘れた頃になるかもしれませんがｗ、その際には是非また感想を聞かせてください！ (2021年6月13日 21時) (
レス) id: 886f4a5b1d (このIDを非表示/違反報告)
ぽっち(プロフ) - 初めまして、基本SJ好きなんですがこちらのお話楽しく読ませていただきました。ロマンチスト同士素敵です。Mさん視点でもぜひ読んでみたいです。一粒で二度美味しい。 (2021年6月13日 17時) (レス) id: e53998f21c (このIDを非表示/違反報告)
7oh(プロフ) - タルトコさん» タルトコさん、コメントありがとうございます！Mに射抜かれちゃいましたか、そう言ってもらえて嬉しいです！なんとなくMは純粋に真っ直ぐな言葉をぶつけそうだなぁと思うんですよね。それでいてロマンチストみたいな。Sも同等かそれ以上にロマンチストだと思ってますｗ (2021年3月7日 19時) (レス) id: 886f4a5b1d (このIDを非表示/違反報告)
タルトコ(プロフ) - こんにちは。7ohさんのお話のMさんは、Sさんの心を確実に射抜く言葉を持っているなぁと思っていて、いつも読んでる私まで射抜かれます。それが策ではなく真っ直ぐな心そのものだったりするので、本当にもう、ロマンチック最高です！素敵なお話ありがとうございました！ (2021年3月7日 11時) (レス) id: 60a0110370 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：7oh
| 作成日時：2021年3月1日 21時
