私と先生の秘密。2 (ページ16)

今日:15 hit、昨日:18 hit、合計:132,907 hit

66時間目。ページ16

.

「も、もしもし？」

『もしもし？ちゃんとお湯浸かった？急いで出たりしてない？』

……バレてる。

「ちょ、ちょっとだけ急いだけど…大丈夫！
ひーくんと早く話したかったから」

『女の子なんだからちゃんとぬくぬくにしなきゃダメだよ？』

「んふふっ」

ひーくんの気遣いに思わず笑ってしまうと

『え、そんなおかしいこと言ったかな？』

と、きっとハテナまみれのひーくん。

「ううん、しばらくお話ししてないのに
ひーくんはやっぱり優しいなぁと思って」

『……ごめん、俺が悪い』

突然トーンが下がって謝ってくれる。

でも

「ひーくん
確かに私のこと信じてくれてないみたいで
ちょっと悲しかった…
でも、私も勘違いさせるようなことしてないとは言えないし
ひーくんから2人にならないでって言われてたのに
進路の相談でって言い訳してたってつっこまれれば
もう何も言えない…
だからひーくんのことだけ責めるなんてできないよ…」

私が思ったらことを話すと

ひーくんは少しの間黙ってしまい沈黙が続く。

電話越しの沈黙は怖い。

さすがに声かけようかなと思った時

『Aは俺のこと優しいってよく言ってくれるけど
Aも俺に甘いし優しすぎるよ…』

少し落ち込んだような声でひーくんが言うから

きっと自分のこと責めちゃってたんだろうなと思う。

「ごめんね…もう勘違いさせるようなことしないように
もっと気をつけるから…仲直りしてくれる…？」

『当たり前じゃん、俺の方こそ大人気なくてごめん
もうちょっと余裕ある大人になる』

「余裕ある大人ってどんな？」

『……そこは突っ込むところじゃないから』

「あははっ笑ごめんごめん笑」

こうして誤解も解けたし、仲直りもできたし

またいつも通りの私たちに戻った

はずなのに……

「ねぇ、やっぱり岩本先生とAちゃんって
付き合ってるんでしょ？」

目黒くんは離してくれなかった。

.