松本家の2人のパパ (ページ13)

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想いが重なる:M ページ13

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S「松本さん…俺…
実はずっと松本さんのこと見てました。
もちろん、初めは3人のお父さんとして
いつもお1人で大変だなと思ってた程度で
他のお父さんお母さんと同じように。
…それが変わったんです」

M「え…っ？」

櫻井先生はゆっくり、ゆっくり

俺に対する気持ちを話してくれた。

S「どうしていつも1人なんだろうとか
仕事もあるのに、3人も子供がいて大変じゃないかなとか
絶対に忙しいだろうし
何かできればいいなとか考えて…
何もできないことは分かってるから
せめてと思って迎えに来るたびに必ず声をかけるようにしよう
そう思って、朝にはいってらっしゃい
迎えに来るときはお疲れ様です
これだけで、何か変わるなんて思ってませんでした…
でも、さっき頑張れたって言ってくれて…
俺も頑張った甲斐があったのかなって、ふふ」

あぁ、なんて可愛い人なんだろう

そう素直に思ってしまった俺は

もうほんとに彼をぞっこんなんだと思う。

S「だから…その…俺のことを好きだって…
そう言ってくれたあの日
本当はすごく嬉しくて…
でも…すぐに返事をしていいかわからなくて…
すみません、すぐに返事をすればいいのに
恥ずかしくなっちゃって…
だから…えっと…」

M「あっ、待ってください！」

櫻井先生が返事をしようと続けそうになったのを

遮るように声をかける。

S「え？」

M「その返事…俺が言うところからお願いできますか？」

S「あ、…え？あ…はい…」

戸惑う先生。

そりゃそうだ、返事をしてくれようと頑張ってたのに

遮られるんだから。

でも、どうしても自分が言った言葉で

もう一度俺も伝えたかったんだ。

M「櫻井先生、俺と、付き合ってください」

そして、少し間があったあと

S「はい…こんな俺でよければ、お願いします…！」

想いが重なった瞬間だった。

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