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でもね。
視線をそらさず見詰め続けるのって、正直しんどい。
さっきまでににこにこしてたの落っことして、感情の見えない顔でずっと無言で見てくるから、背中に嫌な汗かいてきた。
良い返事を期待してるけど私が断った前科があるから、どんだけ好き同士でも土壇場で「無理」って言われるのも覚悟してる。
でも、とりあえず一言くらい何か言って欲しいんだけど。
『ジミ…』
JM「ヌナが」
かぶった。
お互いちょっと苦笑して、私がどうぞって手を差し出したの見て、ジミンはエヘンって咳払いした後、
JM「ヌナが、そんなかわいい格好してるから、なんとなく告白されるのかなって思ってたんだけど」
って、思ってもみないこと言ってきて、私は驚いて馬鹿みたいに口を開けてしまった。
『は?ジミンそんな推察力あったの?』
JM「ねえ、失礼じゃない?推察くらい俺だってしますよ?…特にヌナのことは、いつも気にして、考えてるから」
『………』
JM「ほら、すぐ赤くなる…今日ほんとかわいいんですけど。5歳差がなんだったっけ?俺ヌナがおばあちゃんになってもすっげーかわいいって思える自信で溢れかえってるんですけど」
『どんな自信なの…』
JM「逆にヌナがさ、俺がアイドルじゃなくなって、お腹が出てハゲのおっさんになったらどうなの」
『アッハッハッハッハッハッハ』
JM「秒で笑うとかありえなくない?」
『ご、ごめん間違えておっさんじゃなくてただのまんまるとした頭髪の薄いのジミン想像しちゃって』
JM「余計ひどくない?」
『アーハッハッハッハゴメ、アー、ジミンのちょっと昔のぷくぷくお餅思い出し…っ』
どすん、って隣にジミンが来たなと思ったら、ほっぺた両手で挟まれて「黙れ」って言わんばかりのキスが。
『んんっ…っ!』
JM「って!」
びっくりして口閉じたら、ジミンの舌を噛んじゃった。
『ごめっ、だっていきなりくるから…けっこう噛んだ?切れた?』
JM「いきなりじゃなきゃいいの?」
痛そうに口元抑えながら言われて、私は質問の内容よりもその口んなか見せてもらいたくてうんうん頷いて
『いいから、ちょっとアーして。見せて。ライブ前なのにごめ…』
JM「じゃあ、キスするね?」
『ん?』
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時