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JM「ヌナ、とりあえず座ろう」
そう言って手を差し出すジミンに、ちょっと躊躇ったものの手を重ねて立たせてもらって、そう遠くはない距離を手を繋いで歩く。
…なんだろう。
ジミンは私が何の話をしにきたか知らないはずだし、なんならつい昨日のキスのことで注意があるのかって困惑してるかと思ってたのに。
JM「あれ、ヌナこんなゼリー飲料持ってきて。何、ご飯まだなの?俺もだよぉ。二個あるし、一個もらっていい?」
コンビニの袋から勝手にゼリーを取り出して…
はしゃいでる…よね?
『あ、うん。どうぞ?』
JM「はい、じゃあこれはヌナのね」
はい、って渡されたゼリーを受け取って、とりあえず促されるままに二人でちゅうちゅうう吸ってるけど。
ほんと、これ何なの。
『ぷぷぅっ…くっ、アハハ』
緊張してたとこから気が抜けたのもあったし、状況が本当にコメディ過ぎて笑えてしまった。
JM「何、ヌナなんで笑うの…フフッ、待って俺もちょっと面白いなって思ってたのに我慢して…っ、プフゥっ、ハハハハッ」
私が笑うから、ジミンも笑ってしまって。
二人でひとしきりゲラゲラと膝叩くくらい大笑いした後、ふうって一息吐いて。
『あのね、ジミン。私、彼氏と別れたの』
昨日、記憶のないジミンとキスをしてわかった。
私、別に記憶が戻って欲しいわけじゃない。
確かに二人で過ごした過去が、なかったことになったってのは寂しいし悲しいけど。
昨日のキスでジミンは記憶があってもなくても、私のことをこんなにも好きなんだって、切ないくらいに思い知らされたから。
それなら、またやり直せばいいだけの話じゃない?
『それで、私はずっとあなたのことが男として好きだったから、それを伝えにきたんだよ』
ジミンの細い目が、ぱかっと限界まで開いてまんまるに。
『だから…私と付き合ってくれたら、いいなって思うんだけど…その、もし良ければで…』
告白なんてしなれないから、ちょっとごにょごにょしちゃった。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時