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さて、ツアー先は日本で。
近場の日帰り旅行だから荷物はそう大きくもなかったんだけど。
M「ホテルどこ取った？社名告げたら同じとこ取れたって？さすがのねじ込み上手…そんなら一緒に運んどくから入れときなよ」
『呆れたのか褒められたのかわかんないけど、とりあえずご厚意には全乗っかりいたしますね？』
そんなわけで空港から手ぶらで動ける事になってしまった私は、とりあえず予約していた場所に足を運ぶことにした。
エステ行って。
『好きな人に会いに行くんで』
「かしこまりました。全身コースありがとうございます」
服買って。
『清楚になりすぎなくてかわいすぎるくらいだけど抜け感のある、脱がしやすい服欲しいんですけど』
「勝負服ですか？」
美容室でくるっくるに髪巻いてもらって、年甲斐とか考えずにかわいくしてもらった。
『5歳年下なんですけど、ババアとかアラサーとか言われるんです…』
「じゃあ、今日お客様の顔見た瞬間に黙らせてやりましょう」
気合い入れ過ぎだって？
いや、久しぶりにホテルでジミンと二人っきりで…私的にはデートですから、気合どころか入魂レベルの話だよね。
それに。
話によっては私達、これで最初で最後かもしれないし。
それなら最上級の私で会いたいと思ったから。
「お客様…おきれいです…」
セットとメイクをしてくれた後の、お見送りの美容師さんのうっとりが、演技でも嬉しいよね。
『黙らせてきますね！』
元気よくそう言って笑顔でお店を出たけど、正直緊張してご飯は喉を通らなそう。
でも食べなきゃと思って、コンビニで食事代わりになるゼリー飲料2個買って。
ホテルに戻る頃にはもう夕方で…ジミンは今頃ご飯かなって思いながら、一度自分の部屋に荷物を置いて。
ゼリーはジミンを待ちながら食べるかなと思って、話を通したマネージャーからもらったキーで、ジミンの部屋のドアを開けた。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2024年1月18日 22時
