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とりあず、片手でテヒョンの顔をぐいぐい押した。
まだメイク前ってことはわかってるから、そりゃもう遠慮なく押して、高い鼻が手のひらに突き刺さる感覚に笑う。
『ねえ、ちょっとその鼻本物?なんかの突起の感触なんですけど』
TH「えっ、まじで失礼すぎるし、うっかりメディアに流れたら俺整形説が浮上するけどいいんですか?マネージャー」
テヒョンも私の手のひら避けずに笑って言うから、しっとりしたムードは一瞬で解けた。
テヒョンが私を慰めてるんだってのは、私を囲うだけで抱きしめずに、ゆるく胸の前でクロスしてるだけの手でわかってる。
だからそれに甘えることにして、肩に置かれてる腕にちょっと頭をもたれさせて、
『…さっきの、聞いてたでしょ?』
ってどこから聞いてたのかわからないけど、問いかけてみた。
TH「あー、あの、「時間を巻き戻したい」とかって、馬鹿なやつ?」
肝心なとこちゃんと聞いてて、笑っちゃった。
『あはははははは…はぁ…やっぱ馬鹿だよねえ?』
TH「巻き戻る地点間違えてんじゃん。付き合ってないとこまで戻ってどうすんの?」
『ほんとよね…でも、そんなこと思い込んで、できちゃうなんて…』
『すごくない?』
TH「え?」
『ひとりよがりで、人の話聞かなくて、ええかっこしぃで、思い切りが良くて、純粋で』
『なのに、こんな形で私をどれだけ好きなのか証明してくれるなんて…』
『かっこ良過ぎて、
意味、
わかんなくない?』
あ、なんかやばい。
親しい誰かに真面目に、好きな人の好きなとこを伝えるのって…
『そんなジミンだから、好きなの』
TH「…ヌナ、耳真っ赤」
こんなに恥ずかしいもんなの?
TH「…証明したけど結果これって。ヌナって駄目な男が好きなの?」
『失礼な。ジミンは駄目な男じゃなくて、馬鹿な男なんだよ』
訂正したら、「なにそれ」って言って笑われた。
TH「…ジミナの馬鹿なとこが良いなんて、それもかっこいいなんて…Aヌナが、どんだけジミナに惚れてんだって話じゃん」
TH「全部ジミナじゃなきゃ駄目だって、言いたいの?」
うん、て頷くのは秒だった。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時