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カタン、てどこかで何かがぶつかる音がして、私たちはとっさに弾けるようにお互いを押しのけてた。
JM「あっ…、ヌナ、ご、ごめん…!!!」
我に返ったのはジミンの方が先で、私の視線の先で真っ赤になって泣きそうな顔したジミンが、私を置いて駆けて行って。
取り残された私はソファにすら座ってらんなくなって、その床にずるずるっと蹲って、膝を抱えてため息を吐いた。
久しぶりのキスで、思い知らされた。
ジミンの他には、
何もいらないって。
今頃になって?
TH「ヌナごめん、邪魔した」
後ろから声を掛けられて、私の背中はびくっと震えたけど、音がした時点でなんとなく誰かいたんだって思ってたし、それがテヒョンだったことに安堵して首を振った。
そっと背中があったかいものに包まれて、肩の上にテヒョンの固い顎が乗ってきた。
『…なんでいるの』
TH「昨日徹夜でゲームした顔で言ったら、メイクさんに無言で寝袋渡されたんだよね。時間まで寝てって。せめて目の下のクマが薄くならないまでも和らぐくらいはがんばってって。ね、和らいだ?見てみて」
背中を揺すられたけど、私は疲れてたから見もしないで
『あー、和らいだ和らいだ』
って言って、膝抱えるのを継続中。
テヒョンは背中に懐いたまま、足が私の両脇に投げ出されて、本格的に後ろから囲われてしまった。
TH「記憶ないくせに、ずるいじゃん。キス…いいなぁ」
俺も欲しい、て言葉にしなくてそのまんま伝わったから、私は苦笑して
『しないよ。これ以上あちこちでこじれるのは嫌だし、ややこしくなる…ね、放して?メイクもまだなら、もう行こう?』
って言って、肩から胸の前に回された腕を軽く叩いた。
テヒョンは一瞬の沈黙の後、
TH「ヌナは、なんでジミンだったの?」
TH「俺たちみんな出会いもほぼ一緒、スタートは横並びだったじゃん。なのに、なんでジミン?」
背中越し、耳に唇くっ付けて、切なく言うのは卑怯だよ。
あなたの声、気持ち良い低音すぎて腰にくるって、わかってんでしょ?
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時