忘れな草と高嶺の花【JM】 (ページ26)

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◆ ページ26

嗚咽がみっともないから口を塞ぎたい。

片手じゃどうにも上手くいかなくて、ジミンが放してくれない手を振りほどきたいのにさせてくれない。

JM「泣かないで…ヌナ、ヌナが泣くとどうしたら良いかわからないよ」

馬鹿ジミン。

馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。

大好き。

『ジミン、それなら。

今だけで良いから、胸を貸して』

思ったよりはっきり言えた言葉の後に、強く抱きしめられた私は。

見た目よりずっと厚みのある背中にすがりついて、

溜め込んでたもの、

全部その胸になすりつけた。

どのくらいそうしてたか、私の冷静な部分がピピピってアラーム鳴らして、ジミンがまだ撮影終わってないってこと思い出して、さーっと冷静になった。

ジミンと久しぶりに抱き合えたことで単純な私の体は喜んで、嗚咽は治まっていったけど、とろとろと押し出されるように口にできない思いが目から溢れて、頭は冷えてくのになかなか止まらなくて焦る。

気付いたらジミンの胸元、私服のシャツの色が豪快に変わってるって気付いて、本気で慌ててその胸押して、

『ジミン、ありがともういい…』

涙を拭きながら見上げたら怒ったような顔のジミンが、何か言いたげな口元を前触れ無く、押しつけてきた。

…唇に。

『っ…んっ…っんんんっぅ…っ！』

驚いて空いた唇に、当然のように舌が入って来て。

私はそこからぐずっと解けるんじゃ無いかってくらいの、快楽を与えられて唸ることしかできなくて。

堰き止めてた何かがドア蹴破って飛び出したみたいな、乱暴なキス。

それでも、慣れた舌が私の口の中の気持ちいいところをどんどん責めて、蕩かして、私をただの女にしてく。

押し除けようとしてた腕をジミンの首の後ろに回したのは、単純にもっとして欲しかったから。

胸を押し付けるように引き寄せたのは、いつものように抱きしめて欲しかったから。

冷却期間、何ヶ月め？

自業自得だったからずっとずっと、我慢してたけど、

私だって…ジミンの熱に、

飢えていた。