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びくんって指先ごと腕が跳ねて、眉がぎゅうっと下がったジミンの泣きそうな顔をじっと見詰めながら、
『いいの。話したいから、聞いてくれる?』
って、安心させるように微笑んで、捕まえた指先から手を握って、引き寄せて、いつもそうしてたように…隣り合わせに肩を触れ合わせて座ってもらった。
体温の高いジミンの熱が、
じわじわっと私に移って来るの、
好きだったな。
ジミンとの関係はまだちゃんと終わってないはずなのに、私の思考の中でもっと深く触れ合ったことを、過去形でしか語れないのが、辛い。
『私の彼氏は、意志が強くて男らしくてかっこよくて、かわいくて優しい人だよ?』
胸ん中の重さを振り切るように、元気いっぱいはっきりのろけたら、
JM「ふぃん」
って、「ふーん」って言おうとしたの明らか失敗した変な鳴き声が聞こえて、ぷっと笑った。
気持ちが軽くなった分、はずみを付けて言葉を続ける。
『だめになったのは…私が、すっごく傷付けてしまって』
ちらっと横見たら、私が繋いでる手をじっと見てて、少し待ってみたら思い切ったようにぎゅっと、強い力で握ってきた。
励ますようなその手のぬくもりに…私は何か込み上がってきそうな感情を、ぐっと奥歯を噛み締めてこらえて。
誰にも話してなかった部分をぽつぽつと零した。
『プロポーズ、されたんだけどね』
『私はお互いを取り巻く環境とか、立場とか、色んなもの考えてそれを素直に受け入れられなかったんだよね』
『本当は、心から嬉しかったんだよ?愛されてるってわかって、ほんとに嬉しかったのに…それを伝えるより先に、『無理』って言っちゃって』
『ほんと、謝りたいよ。
私が彼女でごめんって』
『私も結婚したいって、言えなくてごめん』
隣りにいるのはジミン御本人だから。
ジミンに謝ってる気分になってだんだんと、ホソクには『まだ冷却期間』とか言ったけど、今ジミンにこんな話してるこの状況って…
もうとっくに、私。
ジミンの彼女じゃないんじゃない?
あ、やばい。
唇が震える。
体の力が抜けちゃいそう。
奥歯で噛んでるやつ、
堪えきれずに、
目から、
なんか、
出てきそう。
JK「ヌナ、それは違うよ」
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時