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NJ「正直、それだけ見てたらほんと俺たち出る幕ないのになぁ」
至近距離で微笑むナムジュンの視線は、いつになく熱っぽくて。
からかう口調の割に…慎重で、真剣なのが伝わってくる。
NJ「ジミナは馬鹿だ。こんな付け入る隙作ったら、俺らは行くに決まってる」
NJ「欲しい物には貪欲だから、ここまでこれてるってのに」
おー…右手が暖かい。
私は落ち着かないから、顎にあるナムジュンの形の良い指をちょいちょいっとどかして、顔の向きは変えないままナムジュンの目を見つめて言った。
『ナムジュン、私の体がどタイプなのは知ってたけど…』
NJ「うん。理想的。ボン・キュッ・ボンって最高だよね」
『体だけならお断りなんですけど…』
冗談めかしてやんわり断ったら、ナムジュンは「ははは」って気持ちよく笑った後に、スンって表情落っことした。
NJ「体だけなら、とっくに他に目移りしても良いんだけどね。俺も、みんなもヌナが他にいないから」
NJ「俺達にとっての大事なところに、ヌナが突き刺さって抜けないからさ。
だから、できれば」
右手が口元に寄せられて、そこについこの間まで、ジミンがくれた指輪があったところに唇が当てられた。
NJ「俺にして、Aヌナ」
本気の色気に、当てられた。
理性が引き留める間もなく本能を引き寄せられて、ときめきよりも先に体がじゅわっと溶けそうな、欲 情に近い感じで体を熱くさせられた。
私が赤面してるの、ナムジュンは気付いてて頬を緩ませてる。
そんなに優しい目で微笑まれると、正直困る。
JM「ヌナ」
はっ、と首が勝手にそっち向いて、視線が絡まって…心臓が冷やされた。
見たことないくらい、冷たい目をしたジミンが私を見詰めてて。
JM「ちょっと話しても良い?」
愛想忘れた表情は、ほとんどお面のような硬質さ。
それでも周りを気にしてか、コテって首を倒して可愛く手招きしてくれたけど、私は電気でも浴びたみたいにぴょんって立ち上がって掛け寄ってしまった。
ナムジュンが握ってた右手は自然に離れたから、後ろを振り返ることもしなかった。
NJ「ヌナ」
後ろで小さく呼ばれた声も、聞こえてたけど。
私はジミンのところに早く行きたくて、返事を返すの忘れてしまった。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時