◆ ページ17
JK「ヌナヒョンの嘘つき」
『何が。てか歌いなさいよ。ちゃんと来たから上手に歌って。ほら。さっさと』
JK[ヌナヒョンの〜うそ〜つき〜]
『マイクで言うのやめなさい』
ぴしゃりとたしなめると、ブーブーリップロールした後、すとんと表情切り替えて歌い始めてほっとした。
ジョングクが来てって言うから仕事終わってからスタジオ覗きに来たんだけど、問答無用で引きずり込まれて、ボイストレーナーの後ろに座ってて言われてからの、コレ。
ジョングクは、私があまりにもスカート履かない、態度に女を感じないとかで割と早いうちから私のことを「ヒョン」って呼ぶようになった。
失礼極まりないけど、当時のジョングクほんとに生意気で繊細で、可愛くて可愛すぎたから全部許した。
でも私がジミンと付き合い始めたこと報告した直後から、
JK「ヒョンも女の子だったんですね?じゃあヒョンじゃなくてヌナヒョンにしますね」
ていう謎理論でそう呼ばれるようになって。
2年前のジョングクもやっぱりクソ生意気でピュアで、かっこよくなってきたけど可愛くて目の中に入れても痛くなかったから、許した。
それにしたって、嘘つきってなんなんだろう。
私、なにかジョングクに何かしたっけか…?
全く思い当たらなくて、腕組みして考え込んでたら、少し休憩って言いながらジョングクが私の隣にドスンと座ってきた。
ペットボトルからガブガブ水飲む喉仏の動きを見詰めながら、ほんと大きく育ったもんだなーと数年前の彼を思い出して懐かしみみつつ視線を胴体から足先までやって…大きくなりすぎてくれてよかったなーと、商品価値にほくほくする。
JK「ヌナヒョン、まぁた俺の時価を測ってんでしょ。グラムいくらで売れるかなーってさ」
濡れた口元拭いながら、じっとり睨まれたけど気にしない。
『ジョングクは大きくなって重たくなればなるほど、評価が上がるのなんでだろうね〜』
JK「うるさいですよ?あ、先生お疲れさまでした。俺は適当にもう少し流して帰りますから、鍵もらえますか?」
休憩じゃなくて終了時間だったのかって、トレーナーから鍵受け取ったジョングク見ながら私も帰るかって立ち上がった。
663人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時