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…それじゃあ、ジミンに聞こえなくない?
て思った私の戸惑いを、拭い去ってくれるような言葉は続かなかった。
私の抱きしめる力が、ほんと強すぎて。
『く、るしっ』
って思わず口にした途端、テヒョンは慌てたように私を開放して、一瞬支えを失ってよろめいた私は後ろから伸びた腕に引きよせられるまた、違う誰かの胸の中。
SJ「テヒョン、やりすぎ」
『…ソクジン?』
てっきりジミンだと思った自分に、自惚れに…かあっと全身熱くなった。
ジミンは凍りついたような顔でただ突っ立ってるだけ。
私と目が合った瞬間に悔しそうな顔になった後、蒼白の顔で口元覆って前かがみになったから、慌てたナムジュンが廊下に引っ張り出してった。
SJ「大丈夫?」
テヒョンはホソクとジョングクに連行されてって、鬼のダンス教室の始まりだとかで。
ソクジンも同じスケジュールだったはずだけど、私のために少し残ってくれたっぽい。
『大丈夫も何も…どこも何ともないから、ソクジンも練習いっておいで』
笑って送り出そうとしたのに、ソクジンはぷくっとほっぺた膨らませて、動く気ありませんって顔で手元の缶コーヒー啜ってる。
そんなズゾゾって音立てる人がいますかね?
『ねえ、音、品がなさすぎ。なんでなの』
SJ「間違えてホット買っちゃったんだよ」
熱くて、って眉寄せて、それでもどうしても飲みたいのかまたズゾゾと音立ててる。
『この8月に、ホット売ってる自販機があるの?』
SJ「この階のそこの会議室の隣の自販機だけ、なぜかあるんだよね…」
ジョングクに頼んだらこうなったって、苦虫潰した顔をするから思わず吹き出してしまった。
ソクジンといると、シリアスな空気が長く続いた試しがないよ。
『ソクジン、ごめんね。私とジミンがトラブったせいで』
SJ「全くだよ。いい迷惑だよ。せっかく…せっかく諦めたのに、こんなの千載一遇チャンスじゃん?ってみんな思うでしょ」
ん?なんか話がおかしいな。
私の耳、やっぱりバグってる?
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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月18日 22時