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#04 ページ6

安室さんとお付き合いして早一週間。

彼氏が中々出勤しません。



「Aちゃん、何か聞いてる?この前、暫く休みますって連絡が来たっきりなんだけど……」


「それが、私も連絡無いんですよね。メッセージ送っても返信来ないし…。」



心配ですねぇ、と言いながら

忙しいピークのお昼で溜まったお皿を拭く。


安室さんは時々…いや、かなりバイトを休む。

その理由は、風邪だとか急な用事だとかなんだが

いくらなんでも回数が多い気がするのだ。

免疫力皆無で…とかなら納得だが、あの人に限ってそんな事は無いだろうし。

何か別の仕事でもしているのだろうか。

思えば、バイトに探偵業をやっているにしても

スポーツカーに乗れる経済力は一体何処からかと疑問だ。



「うーーん。」


「どうしたの?Aちゃん。」


「あ、いえ。今日の夜ご飯何にしようかなーって。」


「最近寒くなってきたし、お鍋は?」


「いいですねー。でも一人でお鍋は寂しいです……。」



ぴかぴかの白いお皿を磨き続けて唸っていたら梓さんに気付かれて、

咄嗟に考えていた事とは全く違う事を口に出す。


乾き切ったお皿を棚に戻して

また、濡れたお皿を拭き始める。


私って、このお皿みたいに真っ白な安室さんしか知らないし

十分の一も彼の事を分かっていない気がする。


そんな事を思って寂しく思い

ちらりと何気無く客席に視線を移すと

女子高生二人組か此方を睨んでいた。

こっわ。



「あ、梓さん。また睨まれてますっ。」


「ほんとだ。どうする?路地裏とかで"安室さんと別れなきゃ刺すわよ!"ってナイフ向けられたら。」


「間違いなく安室さんを差し出しますね。」



命大事。安全第一。うん。


こうやって梓さんと身を寄せて、こそこそ話すのも楽しいけれど

やっぱり、睨まれるのは怖いので即刻止めて欲しい。


でも気持ちは分からなくもない。

やっぱり、皆イケメン好きだよね。

と呑気に考える。



この会話がフラグだったと、馬鹿な私に言ってやりたい。

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作者名:透空 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月10日 13時

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