#12 ページ14
翌日。
迎えに来てくれた爽やかスマイルのその人を見て思う。
私今日、確実に石投げられるな。
いやまぁ、おめかしはしてきたつもりだ。
服だって新品の可愛い物を来てきたし
メイクだってばっちり。
イヤリングだって付けてきた。
だ け れ ど も 。
それらが霞むを通り越して消えるくらいに
「かっこいい…。」
「あはは、ありがとうございます。Aさんはとても可愛いですね。」
「うぐっ…。ありがとうございます…。」
「さ、行きましょうか。」
「はい…。」
なんだか鳩尾にストレートをくらった気分だ。
__
やって来たのは、都内の大きなショッピングモール。
車を降り、さぁ行こうと歩き出すと
するりと手を絡められる。
「えっ。」
「だめ、ですか？」
「駄目じゃ無いですけど…。」
そりゃあ、付き合ってるんだし
手を繋ぐくらい当たり前だよね。
なんて考えていると、透さんが悪戯っぽく笑った。
「迷子にならない為にも、ね。」
「な、なりませんよ！そんな子供じゃないです！！」
「本当ですかね。」
「ほんとですっ。」
そんな会話を繰り広げながら、周りを見てみる。
結構色んなお店が入ってるんだなぁ。
有名な時計のお店とか、カバンのブランド店とか。
雑貨店の方を見ると、丁度目が合った女の子に睨まれた。
なぜ。釣り合わないってか。
ちょっと悲しくなって、透さんに少し身体を近付ける。
と同時に電話の音が鳴り始めた。
「あ…ちょっと出てきてもいいですか？」
「全然おっけーです。どーぞ。」
通路の隅の方に行く常識人を見送って
目の前のお店を覗いてみる。
ちらって画面見えちゃったんだよなぁ。
風見って誰だろ。
ていうか見ちゃってごめんなさい。罪悪感。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
