愛欲 ページ3
※性的表現を含みます。
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「 ふふ、もうイキたい? 」
「 んぐ・・ぅッ、も・・ぅ、無理っ・・!」
今晩のお相手さんの甘い喘ぎ声が冷たい路地に響く。生々しい水音と嬌声が永遠の流れる。生憎ここは時間も時間だし、元々人通りが少ない訳で。誰かに見られるなんてことはそうそうない。あぁでもむしろ見られたら興奮しちゃうかもね。
のうのうと考えながらそっと男の首に手を掛けた。喉仏に汗が滴り落ちた。とくん、とくんと忙しく蠢く喉の動きに、妙に心臓が高鳴った。コイツ、生きてるんだって思わせられたのだ。・・何処と無く気に食わないなぁ。こんな奴とヤらなきゃよかった。今更遅いけど。
己の手に力を込める。殺さない程度に。
「 苦しい?もうイキたい?・・じゃあちゃあんとおねだりしなきゃね 」
俺の言葉に男は必死に首を縦に振った。汗が俺の服にぽとりと落ちた。・・汚ねえなクソ野郎。この行為を楽しんでいない訳ではないが、そろそろ相手の反応もワンパターンで飽きてきた頃だ。さっさと終わらせてしまおう。
「 ねえほら、早くしないとまたイケなくなっちゃうよ? 」
相手の秘部を一思いに握った。早く言え。言わねえとまた波が過ぎるぞ。楽になりたいんだろ、早く言っちまえ。
「 あっ・・お、願いしますぅ・・っイカせて下さ─── あぁッ!」
あ、やべ。言い終わる前に離しちゃった。まぁ結果は変わんねえしいいだろ。もうこれ以上汚ねえおっさんの懇願とか聞いてる意味無いし。
俺の手を穢すと共に男は膝から崩れた。ふぅふぅと荒い息がしばらくの間続いた。・・ねえ俺まだイッてねえんだけど?と言って口 淫させたいところだが、もうこいつとはやりたくないのでさっさと終いにしよう。
「 おっさん、金早くちょーだい 」
「 あぁ、そうだねごめん・・凄く気持ち良かったよ、今度は聖くんを可愛がりたいなぁ・・」
おっさんは財布から万札を何枚か取り出して俺に渡すと、耳元でねっとりと囁いた。いやもう“今度”はねえから。てか普通に下手そうだからやりたくねえっつーの。
「 じゃ、おやすみおっさん。いい夢見ろよ 」
俺は投げキッスをして颯爽と路地を抜けた。
─────愛なんていらない。好意だっていらない。快楽とちょっとのスリルさえあれば、何もいらない。
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作者名:釈馬 | 作成日時:2020年4月4日 14時