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「ちょっとまってて!」
ワイワイと喜びながら話している3人に一声入れて田中さんにお迎えの電話をいれる。
するとたまたま近くに居たようなので、あと5分ぐらいで着くようだ。
「じゃあ、行きますか!」
僕の声に頷く3人。
「いやーでもあまちゃんの家とか楽しみすぎるんやけど!」
「ここから近いの?」
「ご両親に手土産とか持っていかなくてもいいの?」
「別に、ふつーの家だよ!家はそーだねー…そこそこの距離かな?あと、手土産は大丈夫!一人暮らしみたいなものだし!ラウールくんの気持ちだけ受け取っとくね!」
話しながら校門へと向かう僕ら。
周りには僕らと同じように帰る生徒たちが数人いた。
いつもの路地裏へと向かうため学校を出る。
「電車移動なん?」
最寄りの駅に向かって歩いているのだと思ったこーじくんが僕に聞いてきた。
「いや、さっきお迎え来てもらうようにお願いしたから待ち合わせ場所に向かってるだけ!」
「え!もしかしてあの…!」
この間のモデル仕事の終わりに迎えに来た車を思い出したのかラウールくんがハッとした表情をした。
「どうした?ラウール」
「いや〜」
「はっきりせぇ!」
目黒くんとこーじくんに質問攻めにあっているラウールくん。
しかし、にやにやとしていっこうに話そうとしない彼。
諦めたのか2人して前を歩く僕に突っかかてってきそうになるのをラウールくんが長い腕を使って引き止めていた。
しばらく歩き路地裏に入る。
「なんで路地裏はいるん?!」
ビクビクと周りを眺めるこーじくんは目黒くんの腕にしっかりとしがみついていた。
"うざ"とか言いながらも笑っている目黒くん。
ラウールくんに関しては時たま"わぁ!"とこーじくんを驚かせ叱られていた。
田中さんとの待ち合わせ場所につくと既に車は停まっていた。
「「えっ?」」
ラウールくん以外のふたりの声が重なる。
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作者名:塩おにぎり | 作成日時:2023年5月17日 10時