登校4日目・更衣室 ページ44
彼に大人しくお姫様抱っこをされたまま到着したのは3年生フロアにある更衣室。
あんな状況だったし薄暗かったからよくわかんなかったけど、この人の横顔めっちゃ綺麗だわ...
「ちょっと待ってて」
そう言って彼は僕を下ろすと、更衣室を出ていった。
彼がいない間に今までの事を脳内で整理する。
彼もゴールドのバッチをつけていたからS会メンバーなのだろう。
そして、ネクタイの色的に3年生。
しかし、同じS会メンバーの3年生だろう4人から恐れられている？ところを見ると...
「もしかして、初期メンバー残り2人のうちの一人って...」
「お待たせっ。」
首に紫のタオルをかけた先輩。
手には真紅のジャージを持っている。
「流石に全部は防ぎきれなかったから...これ、俺のだけど着て？」
手に持ったジャージを僕に渡してくる先輩。
いやいやっ！
「そんな！先輩の方がこんなびしょびしょなのに...」
確かに床に座っちゃってたからあちこち少し濡れてるけど、先輩に比べたらこんなの大したことない。
「"水も滴る"っていうじゃん？...それに、俺のせいでこんなことなってるんだし、俺は友だちのやつ借りるから気にすんなっ」
わしゃわしゃと頭を乱雑に撫でてくる彼。
親近感を抱くような笑顔に思わず頷いてしまう。
半ば無理やり渡されたジャージを抱きしめ、カーテンをあけ中に入ろうとすると後ろから着いてくる先輩。
「あのー...何してるんですか？」
「着替え手伝おうかなーと思って」
いやいや、馬鹿なの？
一応見た目女子だよ？
「嫌、だって自分おんn」
「一応男の子なんでしょ？恥ずかしがることないって！」
え？
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
