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トイレの入口から男子生徒の声が聞こえる。
あれ？
この声聞いたことあるような...
「はじめまして。天使ちゃんっ」
入口を塞ぐように、制服姿の男子生徒3人が立っている。
その3人は昨日見た例のサッカー部員3年、ちょうど先程考えていた彼らだった。
「何か用ですか？」
ニヤニヤと僕のことを見つめてくる目の前の3人。
そういや、"噂の入学生は俺らで美味しくいただく"とかなんとかほざいていたな...。
「勿論、天使ちゃんに用があるんだけど〜...。」
「まさか、こんなひょいひょいと着いてくるとはねぇ〜」
「しかもここ男子トイレだよ？もしかして...結構いけちゃう系？？」
じわじわと僕に詰め寄ってくる3人。
下心丸出しの目線がなんとも気持ち悪い。
「ねぇ、さっさと終わらせてくんない？」
入口の方から女性の声が聞こえる。
その声の持ち主は、ここまで連れてきた女子生徒だった。
「わりぃわりぃ。後は俺らがやっとくから帰っていいよ？」
「女子に見られてるとなんかやりづりぇし」
「俺はそういうプレイだと思えば割といけるけどね〜」
「はぁ？ふざけんなっての。こいつの心折れるまでやってくれないと、いつ"彼"に手を出すかわかったもんじゃない。」
彼女はだるそうに三つ編みを解きメガネを取った。
「てかあんたらも、"あんな女"に協力求めるとかどうかしてるよねー。」
「仕方ねーだろ。金さえ払えばなんでもやってくれんだから。お前もやったら分かるって。」
彼らを鼻で笑い、青いリボンををとる彼女。
「はぁー？やだよ。後輩にペコペコ頭下げてお願いするなんて。」
怒った表情の彼女は、とったリボンをポケットにしまうと、赤いリボンを付け直した。
ふーん。
4人とも3年生だったんだ。
「てかお前も"あんな奴"が好きとか馬鹿じゃねーの？」
「たしかに〜。色んな女口説いて女集めて、モテてる自慢ー？」
「は？言っていいことと悪いことあんのわかんないの？」
男子生徒の2人と彼女はいつの間にか口喧嘩を始めた。
「だりぃ...、これだからバカは...」
もう1人の男子生徒は彼らに聞かれない程度の声でボソッと呟く。
まー、お前も馬鹿だがな。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
