登校4日目・放課後 ページ39
昼間のあれはなんだったんだろう…
あれからずっと昼間に起こった出来事か忘れられずにいた。
「ったぁ…」
「天使さん、大丈夫…？」
自学にも手がつかず、ずっと考え込んでいたからなのか頭がズキンズキンと痛む。
そんな僕を見ていたラウールくんが心配そうに顔をのぞきこんできた。
「大丈夫…。ごめんね？心配かけて…」
「ううん。あんまり無理しないでね？」
彼の大きな手が僕の頭を撫でる。
僕が考え込んでいたうちに、帰りのホームルームは終わってしまっていたようだ。
「それじゃあ、僕はこの後仕事があるから…」
彼の言う"仕事"とはモデルのこと。
また例のマネージメントさんに呼ばれたらしい。
「うんっ！頑張ってね！」
申し訳なさそうに僕のことを見つめてくる彼に、できる限りの笑顔で微笑み、先程のお返しに彼の頭を撫でる。
「行ってきます！」
えへへと照れたあと手を振って足早に教室を後にしたラウールくん。
楽しそうでよかった...。
「よしっ、僕もやりますか！」
んーっと背伸びをして、昨日と同様ジャージを取り出そうとロッカーへと向かう。
「あなたが"噂の入学生"天使さん？！」
鍵を開けたロッカーの扉に手をかけた時、教室の入口の方から慌てた女性の声が聞こえる。
「え？...そうだけど...。」
入口の方へ目をやると三つ編みをした眼鏡姿の大人しそうな女子生徒が慌てた様子で僕の方を見ていた。
青色のリボンということは1年生なんだろう。
同じ1年生だがクラスが多すぎることもあって、彼女のことは知らないが、何か用があるのだろうか？
「目黒くんが大変なの！ちょっと来て貰える？！」
目黒くんが大変？
もしかして、先輩と何かあったのだろうか？
「分かった！」
急いでいた僕は何も持たずにその子の後に急いで着いて行った。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
