登校4日目・捜し物【青】 ページ37
昼休みが終わる前に探し出すべく、今まで通ってきた道、場所を探すもののなかなか見当たらない。
「誰か拾ってくれたのかな？」
その可能性もゼロではないが、人目に付きにくい場所に落ちているのだとしたら一生見つからないだろう。
「あとは…」
残る場所は屋上と1-Aの教室。
自分の教室なら放課後ゆっくり探せるだろうから…
そう思い屋上へと向かう。
ギイッとなる重い扉を開けると、外の空気が僕の肺に流れこんできた。
雨じゃなくて良かった…
屋上の床をきょろきょろと探す。
すると、屋上に既に居た1人の男子生徒がきらりと光る何かを拾い上げていた。
「あっ！それ！」
ちらりと見えたそれは、今朝見た例のブレスレット。
僕の声に気づいたのか、拾い上げた男子生徒がこちらに振り返ってきた。
「わ、渡辺先輩…」
振り返ってきた彼は、僕が探していた人の1人。
一昨日ラウールくんに教えてもらったS会初期メンバー3年生の渡辺先輩だった。
髪は相変わらず茶色に近い金髪で、ネクタイはゆるゆる。
腰にゴツめのチェーンをつけていて、岩本先輩と違った怖さがある。
でもよくよく見ると、肌は赤ちゃんみたいに綺麗。
某白いうさぎのような男の子のキャラクターを思い出させるような可愛らしい口元。
あとなんて言うんだっけこの雰囲気の男子のこと…
そうそう！"塩顔イケメン"！
髪型とか髪色とか変えたら滅茶苦茶雰囲気変わりそう！
「俺の事わかんの？」
目の前の彼は目を見開き、ぼそっと呟く。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
