理事長である祖父に頼まれて学校改革始めます2〈男主〉 (ページ34)

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急いでキッチンの方へ向かいマリアを探す。

「マリアー！これ落ちてたんだけどマリアの？」

台所で洗い物をしていたマリアをみつけ後ろから声をかける。

「そ、それは…。」

僕の方に振り向き、手に持っているものを見たマリアは少し驚いた表情をし、自身の服のポケットをさわさわとしだした。

その様子だと、マリアのものなのかな？

「マリアのだったんだ！ならかえs」

「いえ！それはA様のものです！」

マリアに返そうとブレスレットを手渡そうとしたがその手はマリアの手によって塞がれる。

「覚えていないかもしれませんが、それはA様のものなので。…昨日たまたま掃除をしていたら見つけまして…、渡そうと思ってたんです！」

額にうっすらと汗を流しながら、微笑んできたマリア。

なにか隠してる？

「せ、せっかくなのでおつけしましょう！…すごくお似合いです！ささっ、田中さんも待っているので早く朝食を食べてくださいっ」

この話題を早く終わらせたいのか、僕の手からブレスレットを取り僕の左手に付ける。

すると、僕の背中をグイグイと押し朝食が準備されたテーブルの前に座らせた。

まぁ、いっか。

時間もないのでマリアを問い質すのは今度にしよう。

僕は目の前にある美味しそうな卵焼きを1口ぱくりと食べた。