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いた！
さすが目黒くんと言ったところか、身長が高いということももちろんだが、周りの部員に比べてボール裁きが素晴らしい。
で、問題の3年生は…
いたいた。
3人で集まって何やらコソコソと会話してる。
「よーし、ちょっと早いけど一旦休憩しようか！」
顧問の先生だろうか？
その人の合図でワラワラと部員たちが各々休憩に入る。
「きたっ…」
やはり、問題の3人は目黒くんを連れ出すようだ。
僕は4人の後をこっそりとつけていく。
勿論、撮影は忘れずにね。
ポケットにはボイスレコーダーをオンにした携帯。
手にはこーじくんから借りた小型のビデオカメラを持つ。
つけていた4人はやはり、例の体育館裏に向かっていた。
先輩の1人が目黒くんの胸ぐらを掴み壁にバンッと叩きつける。
目黒くんの表情は長い前髪によって見えないが、あの音だ、かなり痛いだろう。
「お前さあ、言ったよな？試合に出るなって」
「なーんでまだメンバーのところにお前の名前があんの？」
「目黒は要らないって、メンバーみんな言ってんの、わかんない？」
「あ、おまえ馬鹿だから日本語もわかんないんだ」
ギャハハと笑う3年生達。
思わずカメラを持つ手にぎゅと力が入る。
「言ってもわかんないみたいだし、お前の大事な友達。誰だっけなー？向井とか言うやつ？」
「あー、あと村上な」
「最近、例の入学生とも仲良いらしいよ？」
「まーじで？」
「まぁ、とりあえず向井と村上ってやつは姫に頼んで退学させるから」
壁にたたきつけられ俯いたままの目黒くんの肩がビクンと
揺れる。
「で、噂の入学生は…俺らで美味しく頂きますか」
下賎な笑い声が聞こえたと思ったら、ゴンッと鈍い音が体育館裏に響いた。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
