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足音が遠ざかっていく。
ちらっと窓から覗くと、男子生徒3人が校舎の方に向かって歩いていた。
すかさずその姿をスマホで撮影する。
これは臭うな…。
話の内容的に、運動系の部活動の話かな？
その時目黒くんの姿が脳裏に浮かぶ。
「まさか…」
昨日、今日の彼の不自然な様子。
もし僕の考えることが本当に起こっているのであれば…
「絶対に許さない…。」
スマホを握る手にグッと力が入る。
「どうしたの？そんな怖い顔して」
「うわぁああ！！って、なんだラウールくんか」
後ろから声をかけられびっくりしてしりもちをついてしまう。
先程まであった緊張感が消える。
「なんだってなんだよぉー」
むすーっと頬を膨らまししゃがみこんだ彼。
あぁ…癒しだ…
「ってそんなことより！これ聞いて！」
いかんいかん。
すぐさまスマホのボイスレコーダーを起動し、先程の音声を流す。
彼は俯きその音声を静かに聞いていた。
「これ、いまさっきそこで話してたの録音したんだけど…まさか目黒くんの事じゃないよね？」
不安になって彼に聞いてみるものの、ラウールくんは俯いたままただ拳をぎゅっと握りしめていた。
「この3人が話してたみたいなんだけど」
後ろ姿だが、先程撮った写真を彼に見せる。
するとその写真を見る彼の目が大きく見開いた。
知ってる人なのだろうか？
「くそが…」
ぼそっと彼が声を漏らす。
今まで聞いたことの無いような彼の低い声。
そして、静かに怒る彼の姿。
反応的にやはり目黒くんが関わっていそうだな…
「どうする？」
その3人のことを知っているなら、彼に相談した方がいいだろう。
静かに怒る彼におずおずと声をかけた。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
