登校2日目・街中 ページ3
しばらくして都内の中心部、様々なビルが立ち並ぶ大きな通りに来た。
ぐるっと周りを見渡し、ピンと来たところに向かう。
そんな僕にわけも分からずラウールくんは着いてきてくれた。
「誰かと待ち合わせですか？」
大通りの隅、大きな看板の前で2人並ぶ。
「んー、ちょっと違うかな？」
カバンからお気に入りのチョコを取りだし口に放り込む。
その様子を彼が見てきたので、同じものを彼に渡した。
「じゃあ、なんでこんな…」
「ちょっとお時間いいですか？」
彼がチョコを食べ僕に話しかけようとした時、遠くの方から30代ぐらいの男女2人が僕らの方へ駆け寄ってきて男性が声をかけてきた。
「え？なんでしょうか？」
突然の事で疑いの目で2人を見るラウールくん。
「あのー、怪しいものではなくてですね…」
彼の反応に慣れているのだろうか、その2人はつらつらと話を始めた。
話の要約するとこうだ。
自分たちはとある化粧品会社のマネージメントをしている。
雑誌に載せるための広告に出てもらうはずだった外国の男性モデルが乗った飛行機が、天候の問題で日本に来れなくなってしまった。
その男性モデルが来れなくて代役を立てようにも、相手役の女性モデルが彼が来れなくて代役なら私は降りると言われてしまったこと。
その雑誌は来週の月曜日発売で、今日中に撮影を終わらせてしまわないと間に合わなくなってしまうらしい。
いっその事モデルを変更しようにも、当日にオファーしたところで適任のモデルのスケジュールが空いている訳もなく困っていた。
そこで街中で適任者が居ないか探していたところ、僕らを見つけたらしい。
「成程…、ちょっと確認するので待っててもらっていいですか？ラウールくんも興味あるなら親御さんとかに連絡してみたら？」
頭のいい彼はきっと話の理解はしただろうが、一応未成年だし親御さんの許可がいるだろう。
僕の言葉を聞き、彼は電話をかけていた。
僕はじーじに連絡することにした。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
