登校3日目・お昼 ページ20
お昼までの時間は何事もなく、今まで通りに進んだ。
「ラウールくん、準備できた？」
自分用の弁当を持ち、ラウールくんに話しかける。
「うん！今日も体育館だったよね？」
彼も自分用の弁当を持ち、準備万端と言ったところだろうか。
「じゃあ行きますか！」
1-Cにこーじくんを迎えに行っても良かったのだが、メッセージを送ると"先に行ってて"と返事が来たので2人で向かう。
「今日のお弁当、実はみんな少しづつ中身違うんだ〜」
今朝ちらっとお弁当の中身を見た時気づいた。
昨日マリアに話したおかげか、各々反応が良かったおかずが詰められていてメインのおかずがみんな違うのだ。
「え！そうなの？！楽しみ〜」
ニコニコとご機嫌なラウールくん。
可愛すぎる…。
彼と話しているとあっという間に体育館に着いた。
昨日同様の所に2人で座る。
こーじくんはまだ来ていないようだ。
「え…」
スマホを眺めるラウールくんがぼそっと声を漏らす。
ん？
どうしたのだろう。
「こーじくんも急に予定できたみたいで、ごめんけど二人で食べてだって」
寂しそうにぽつりぽつりと呟く彼。
僕もスマホでトーク画面を開くと、確かにこーじくんから同じメッセージが届いていた。
「今朝言ってた通り、2人っきりのお昼になっちゃったね！」
寂しそうな彼をどうにかしたくて、隣に座る彼と腕を組みなるべく明るく声をかける。
「…そうだね！」
微笑み頷いてくれるラウールくん。
「ささっ、早く食べよ！」
先程の空気を早く払拭したくて、お弁当箱を風呂敷から出した。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
