登校3日目・教室 ページ18
1-Aの教室につき、2人で自分の席に着く。
「まさか、あそこまで反響があるとは…」
ラウールくんは元々顔もスタイルもいい。
ただでさえ目立つのに、髪色が明るくなり垢抜けた彼を見れば騒ぎになることは間違いないとは思っていたのだが…。
「ありがとう。僕だけじゃどうにもなんなかったよ…」
苦笑しながら僕を見てくる彼。
いやいや、元はと言うと僕…というかみきさんのせいだけど！
「こっちこそごめんね？」
彼に向かいぺこりと謝る。
「あ、でもお昼って…」
「あぁー…あの時は勘違いさせるために2人でって言ったけど、勿論4人で食べるから安心して？」
あくまでもあそこにいる女子にカップルだと思わせるために2人でって嘘をついた。
でも流石にみんなと食べると約束したし、僕と二人っきりで食べるのはなんか申し訳ない…。
「そっか…」
そう言うと少し寂しそうな表情をしたラウールくん。
どうしたの？！
疲れちゃった？
まぁ、そうだよね！
朝からあれは疲れるもんね！！
「あ、そういえば目黒くん…」
4人のグループメッセージを開く。
"ごめん！昼は用事が出来ちゃって…3人で食べてもらえる？"
昨日の深夜に送られていたメッセージ。
「あ、ごめん。4人じゃなくて今日は3人みたいだね」
「そうみたいだね…。」
用事があるなら仕方ない。
あ、そうだ！
時間は…まだあるね！
「ラウールくん！ちょっと目黒くんにお弁当だけ渡してくるね！一緒に食べられなくても、食べれるタイミングはあるかもしれないし！行ってきます！」
目黒くんの分とこーじくんの分の弁当を持ち、ラウールくんに手を振ると彼も"行ってらっしゃい！"と振り返してくれた。
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作者名：塩おにぎり | 作成日時：2023年4月16日 16時
