短編集【にじさんじ】 (ページ3)

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葛葉「着いたぞ」

『ここは？』

しばらく歩いて着いた場所はイルミネーションが施された
広場だった。

葛葉「今日」

『？』

葛葉「誕生日だろ」

『え？あ！』

葛葉「忘れてたのかよ」

『仕事が忙しくて笑』

へらっと笑ってみせると葛葉にデコピンされた。

『痛っ！？』

葛葉「昼送ったやつも既読スルーだったもんな」

『え、あれ誤爆じゃなかったの？』

葛葉「はァ！？ちゃんと今夜って送っただろ！？」

『今夜ってこのことだったの！？』

お前本当に社会人なのかよと苦笑した葛葉に失礼すぎ！と
突っかかっていると葛葉が突然真面目な顔になった。

葛葉「〇〇」

『は、はい』

葛葉「誕生日おめでとう」

そう言って笑った葛葉に堪えていた涙が溢れ出した。

『泣』

葛葉「ちょ、泣くなよ」

『無理だよ泣』

社会人になって何年も経ち誕生日なんて忘れていた。
その誕生日を大好きな人にお祝いされたことが嬉しいのに
涙をこらえられる訳がなかった。

葛葉「大丈夫か？」

『うん、大丈夫泣』

まだ泣いてんじゃねーかと笑った葛葉の手が私の頭に乗り
そのまま優しくなでられた。

葛葉「後は家帰って続きすっか」

『続き？泣』

葛葉「お祝いの続き」

まだ誕生日は終わってねーぞ？と言い笑った葛葉に再び
恋心が騒いだのは私だけの秘密だ。