クロノス【4】【イナクロ】 (ページ25)

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Khronos if story08 ページ25

「Aは何が好き？Aのリクエストにお応えするやんね」

モヤモヤした何かが浮かんでいた頭は一気に食べ物のイメージにすり替わった。

「うーん…」

顎に人差し指を当てながらイメージを選別する。

何でも良いよと言いたいところだが…ここは言葉に甘えなければ！

美味しければ何でも食べちゃう僕だけど、
今日真っ先に思い浮かんだのは

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「カレーが食べたいなぁ～」

「カレー！いいね、僕もカレーが良い！」

「よーし、カレーで決まりやんね！」

フェイの賛同を聞いて黄名子ちゃんは力こぶを作るような仕草をした。

「わーい！」とフェイと万歳した直後に扉が開く。

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「おぉ、賑やかだな」

現れたのはスーツ姿のアスレイさんだ。

「父さん、おかえり！」

「ただいまフェイ。久しぶりだね、Aさん。来てくれてありがとう」

駆け寄ったフェイの頭をひと撫でしてから、アスレイさんは真っ直ぐ僕を見た。

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こうしてアスレイさんとフェイが並んでいるのを見ると、そっくりだなー親子だなーって感じ。

全体的にフェイはお父さん似なんだろうけど、
目の形は黄名子ちゃんに似ているような…。

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そんな事をぼんやり考えていると、アスレイさんが苦笑しながら頭をかく。

「いやぁ、もう少し早く帰って来る予定だったが…結局夕方になってしまったよ」

私もAさんとゆっくり話がしたかったのだが、
とアスレイさんは本当に残念そうにため息をついた。

それを見た黄名子ちゃんが小さく笑う。

「Aとお話しする時間ならまだ沢山あるやんね。ご飯も食べて行くもんねーA」

「ご馳走になります！」

「そうか…。黄名子の作る料理は本当に美味い。期待しててくれよー」

ふわっと微笑むアスレイさん。

カレーがますます待ち遠しくなった。

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