募る感情 ページ28
*01*
本格的な夏の季節が到来した。
「今日も暑かったね、ハロくん。」
いつものように、お昼の3時頃ハロくんを散歩させてあげて、家に戻った。
「さてっ」
「アン!アン!」
「ごめんねハロくん。お散歩はもう終わったでしょ?」
まだ遊び足りない…といった様子のハロくん。
元気なのは良いこと、だけど…
「ほーら。お姉さんは今からお勉強の時間なのです!」
「アン!」
2日前から、一応私もは"通信制"の高校生になった。
今度ある月1の授業に備えて、地味にコツコツと高校生の勉強を進めていく日々が始まる。
「これも中学数学の応用だ…」
久しく触れていなかった計算式やら文章に、面を食らってしまうのではないかと心配だったけど…
解き進めるうちに、元の感覚が取り戻せた。
どれもこれも、令くんが教えてくれたおかげだな…
***
「_______んぁ?」
手が痺れる感覚で目が覚めた。
「寝てた…」
今、何時だろう。
「うわっ!」
" PM 7:35 " って、
結構寝ちゃってるじゃない私!!
グウゥ…
「!!」
静かな部屋に、自分の腹の音が響く。
「夜ご飯…」
お腹空いた…
「……」
降谷さんは、今日もお仕事で帰れないかな…
今日"も"。
降谷 零今日も帰れない。
このメッセージが届いたのは、一昨日の夕方。
しかもこの日から「今日も」って事は、
ざっと1週間、降谷さんは家に帰れていない。
Aわかりました。
Aお仕事がんばってください。
私がこれを送ったのも一昨日。
返信は、当然無い。
それに関しては全然、問題無いんだけど…
「……」
「既読」が、ついていない。
「降谷さん…」
降谷さんの仕事は警察の中でもまた特別厄介だって、
嫌と言うほど理解してきた。
別人を演じ分けなければならないほどに。
この件に関しても、
たまたまメッセージを確認出来ていないだけで…
大丈夫、だよね。
「降谷さん…」
降谷さんは私の事を全て理解してくれていて、
その逆も然り。
当たり前にそう捉えてきたけど…
もしもの話。
私が知っている事が、
実際はその1%にも満たない、としたら…?
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juno108(プロフ) - とっても面白いです!続きがすごく気になります! (2020年5月20日 13時) (レス) id: 73960369a7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 70b86fd223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2019年1月13日 2時